2014.01.01

2014年

新しい1年。すこしでも1つでも良いことがありますように。

馬の年ということで、NHKBSプレミアム(日曜日21時~)で放映中の韓国ドラマ『馬医』
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画像は韓国MBC公式サイトより

韓国ドラマというものを見たのは、この作品が初めてです。特に何も気にせずテレビをつけたら、何か見たことがある人が出ているなと……。気づけば、それはチョ・スンウ(主演)で、ヒロインは『子猫をお願い』のイ・ヨウォン。作品としては、有名な監督であるイ・ビョンフン氏のお得意のスタイルらしいのですが、それまで何も見たことのない自分にとってはかなり新鮮。恋愛あり陰謀ありの医学時代劇で、17世紀が舞台でありながら外科手術も行ってしまったりしています。チョ・スンウは、映画もそうですが、何よりも舞台(主にミュージカル)で活躍する演劇人。何年か前には、『ラ・マンチャの男』の日本公演も行っているらしいです。特に大ファンというわけではありませんが、金髪のロングボブのウィッグを着けて歌う『ヘドヴィク・アンド・アングリーインチ』のステージ(何回か再演されている彼の当たり役の1つらしいです)とか、見てみたかったなぁ……。録画DVD、発売されないだろうか……。 

2013.01.04

2013年


2013年がおだやかな年でありますように

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《女朋友。男朋友》 
1990年台北橋上の王心仁と陳忠良
結婚式の車に爆竹を鳴らされるの図


タイ映画『帰り道』の感想を、やっと追記しました(ぼろぼろですが次ページ末尾)。

2010.01.01

迎春

2010年が良い年でありますように。

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BBC Doctor Who "The End of Time"

2009.05.25

やはり寝てはいけないらしい

23日、盧武鉉前大統領の死の第一報をラジオで聞いたとき、まだ「山に登り崖から落ちた」とのみ報じられていて、自殺なのか事故なのか断定されていなかったが、そのときふと黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』の火口への投身自殺(未遂)場面の情景が浮かんだ。あとから写真を見ると、その場所は映画とは全く違う、東尋坊のように切り立った崖だったけれど……。盧武鉉のことは通り一遍のことしか知らないけれど、農家の三男で人権派の弁護士として活躍し政界入りなどという経歴を読むと、故郷の山の崖から身を投げたというのが何とも哀れだ。

フレディマックCFO代行、ディヴィッド・ケラーマンの4月の訃報には感慨はなかったけれど、自殺ではなく謀殺なのではないかと思ったのを覚えている。

「悪い奴ほどよく眠る」とは、『ダウト~あるカトリック学校で』の原作戯曲の冒頭に掲げられていた言葉でもある。もちろん、映画の監督で戯曲の作者でもあるジョン・パトリック・シャンリィは黒澤映画を知っていて、映画を意図して書いた言葉だ。これが実質的にどこにつながっていくかというと、最後の場のジェームスとアロイシスとの「最近、眠れない」「我々は、あまりよく眠ってはいけないということなのかもしれない」という会話となる。

世の中の流れは速く、重大なことも卑小なことも、自分の頭で考えたという自覚もないまま、「どこかのだれか」によって決められていく。夜中にインターネットで他人の書いた文章を読んでは、愕然としたり、憤慨したり、自分に情けなくなったりして眠れなくなる。

テレビドラマ。相変わらず『デスパレートな妻たち』は見ている。とはいえ先週も先々週も見逃した。特にギャビーのエヴァ・ロンゴリア・パーカーやイーディのニコレット・シェリダンあたりの濃いキャラクターが好きだ。女優たちの日本語吹き替えが全員個性的で面白い。テレビドラマをDVDで一気に見るというのは楽しいが、放映ごとに見ると自分の頭の中に、より強烈にその「世界」ができてそれが持続する。……一気に見るにしても、放映ごとに見るにしても、テレビドラマというのは映画に比べると麻薬的な部分が大きいと思う。

海外ドラマブームってのは、みんな実は、現実逃避したいんじゃないか、物を考えたくないんじゃないかとずっと思ってきた。そうやって、我々一般大衆が口を開けてテレビドラマの顛末に夢中になっている間に、政治は腐り、経済は崩壊し、地球は汚れ、家族が離れ、隣人は殺され、誰かがほくそえんでいるかもしれない。チョムスキー言うところのスポーツ観戦同様に、それは、世の中を思うように動かしたい層にとって大変好都合なことなんじゃないかと……。

最近映画館で見た映画。『チェイサー』(←見たら必ずどーんと落ち込む必見の佳作)。『その土曜日、7時58分』(←見たら必ずどーんと落ち込む必見の佳作)。はやく『沈黙を破る』に行かなければ。

2009.01.03

ごあいさつに代えて

謹んで新年のお慶びを申しあげます。

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世の中、目出度いという感じは全くありませんが、ごあいさつに代えて、せめても美しい(「美しいだけ」との声もある)、映画版《Brideshead Revisited》の画像を貼ってみました。あちこちで書かれていますが、DVDスルー(3月発売)だそうですね。

先日、確かラジオのパーソナリティだったかと思いますが、 "Think global, Act local" という言葉を取り上げていました。1つの生き方の規範とでも言いましょうか……。"Think global" というのは文字どおり、「世界のことを考えよう」です。が、「実際の生活(行動)は "global" ではなく "local" で行こう」という、グローバル化の進む世界へのアンチテーゼとでも言うような考え方です。今の我々の生活はどちらかというと、"Think local, Act global" になってしまっていて、自分の身の回りのことだけで一喜一憂しつつ、暮らしはグローバル化の"産物"にあふれている。それを少し変えてみよう、と……。"Act" に関しては、地産地消というやり方も既にありますね。

ただ "Think global" というのは、地球環境とか世界経済とか、そんなことのみを意味するのではなく、視野を広く持ち、目先の損得に左右されない価値観を持とう、ということでもあるのではないかと思います。逆に、"Act local" によって「落ち着け。頭でっかちになるな。まず自分のできる範囲のことをちゃんとしろ」と言われているような気もします。

何を言おうと、あくまでもミーハーなエンタティメント・ファンであることがベースの筆者ではありますが、そのときそのときの特定方向にエネルギー(「愛」とも言う)を注ぎつつ、いくらかはまともなヒトになっていければいいなぁと思う年のはじめです。

2008年は、みなさんご存知のとおり更新状況がこの体たらくゆえ、例年のような直接的にこの場を通じた新しい出会いはなかったのですが、間接的なきっかけで、長い間拝見させていただいているサイトの管理者(作成者)の方と、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でお会いすることができました。

2008年のTILGFFは「重厚なテーマを扱ったドキュメンタリー」と「(良くも悪くも)フィクション性の強いドラマ」とが織り上げた絢爛たるラインナップでなかなか見応えのあるものだったと思います。今でも印象に残っているのは、重いテーマを軽やかに仕立て上げた、イタリアの同性婚(パートナーシップ)法に関するドキュメンタリー、『パートナー法は突然に』です。見た後に、お会いしたその方がおっしゃっていた、いつかは同性愛者の離婚というのも映画のテーマとして出てくるだろう、といった発言にはまったく同感でした。イタリアという、キリスト教の総本山を抱える保守的な国でのパートナー法成立の困難は推して知るべしなのですが、しかしそれを「タブー」とはせず、賛成派と反対派が街じゅうにポスターまで貼って、パートナー法についての主張を打ち出しているところに、まず感嘆しました。強烈に保守的な人の声までを、きっちり映像にのせているところも凄いです。日本で言うなら何か、靖国神社に関するドキュメンタリーでも見ているような気分になりました。まあ、靖国ですら日本ではタブーの部分が大きいのですが……。それから、スペインのサスペンス・コメディ、『チュエカタウン』。ゲイ男性のカップルが主役でありながら、周辺の年配の女性たちが大活躍する盛り沢山な爆笑物語ですが、「ゲイはファッションも生き方もおしゃれ」という、(日本ではまだまだ一般的とはいえませんが世界的には)一般的な見方を蹴散らして、「ゲイだってかっこ悪くていいんだ。肩の力を抜いて普通に楽しく暮らしていいんだ」ということを主張した、非常に画期的な内容のオチに目を見張りました。日本は完全に周回遅れだな、と……。

ということで、こんなところまで読んでくださったクールなみなさま、毎度のことながら、本年もまた、冷たい目で変わらず見守っていただけたら幸いです。

あくまでも希望ではありますが、ことしは少し仕事を放っぽって、気合いを入れて書きたいと思っております。


以下はまた、ごあいさつに代えての映画《彈.道》の画像になります。

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前の記事のコメントにも書きましたが、昨年11月に香港で公開された劉國昌監督の《彈.道》(画像上)が、いよいよ台湾で1月9日に公開されます。2004年の陳水扁総統狙撃事件を扱ったかなり政治色の濃そうな作品で、すでに香港でご覧になった方がネット上に記事を出されていらっしゃるようですが、スコーンと楽しめるエンタテイメントではないようです。まあ、重くて苦しいのは台湾映画の常なので、それはそれで「らしくて」良いのではないかと思いますが、はたして作品的にはどうでしょう。 え? 《彈.道》は台湾映画ではない? まあ、全編台湾ロケ、台湾俳優が大勢出ているのだから、「台湾風」ということでお許しください。

主演はもちろん、任達華(サイモン・ヤム)と張孝全(ジョセフ・チャン)。孝全クンは今や日本ではすっかり、ジョセフ・チャンで定着したようですが、日本語の台湾芸能ニュースに出てくるのはジョセフ・チェン(鄭元暢)ばかりなので、いつもがっかりさせられます。しかしテレビではなく映画で、しかも今回のようなハードな作品と、お得意の青春物にバランス良く出演し活躍してくれるなら、ファンとしては嬉しい限りです。映画はどうあれ、任達華と張孝全の共演なら、取りあえず見てみたいと思うところなのですが、その上今回は、脇を固める台湾俳優の中に、張先生こと沈孟生と、阿青父こと柯俊雄が出演しております。

そんなことから、ここで画像を貼ってみる気になりました。
(画像はすべて公式サイトのリンクから)

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<左>任達華と張孝全、<右>柯俊雄

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<左>張孝全と(もしかしたら戴立忍?←違っていたらすみません)
<右>沈孟生


2008.07.27

オレが書かなくとも

7月半ばに発表された2008年の東京国際映画祭のポスターを見て、ただでさえ心もとないこのイベントが、ますます不安に感じられた方はきっと少なくないはず……。

たまにしか出てこないから、鮮度の落ちたネタばかりで情けないですが、さらにもう少し前の話を……。

退会しようしようと思いつつ、毎年連絡しそびれて、何か良いことがあるやらないやらわからぬ「会員」資格が継続され会費が引き落とされ、自動的にやってきてしまう「香港電影通信」。先月来た号(6月号)をぼんやり見ていたら、DVD紹介のコーナーに、どこかで見た名前が……。それは7月4日発売のアクション映画『ソードキング』というタイ製のアメリカ映画で、16世紀、Geographical Discoveryの時代のタイ王朝を舞台にした権力抗争物。そこに(おそらくは主演格として)最初に書かれていた俳優の名が、ゲイリー・ストレッチ。どこかで聞いたと思いながら、ピンと来るまでに、ひと呼吸。思えばそれは、クレイトス、あの「黒のクレイトス」の中の人の名前ではないか。 紹介文によると、なかなかに引き締まったエンタテイメントのようで、どこかで縁があったら見てみたいものだと、そして我が"マイティ"クラテロス兄貴はどうしているのかと、思いを馳せた。……クレイトスの衝撃的な最期は、大王の栄光に満ちた短い人生の影の部分を象徴するような辛い事件であるだけに、その名前を思い出すと、ずっと時代を下ったこんなミーハー者でもちょっと胸が痛い。


Background_map25日、山形で見損ねて危うくまた見損ねそうになった『バックドロップ・クルディスタン』の、ポレポレ東中野での最終上映(最終日最終回)に間に合った。25歳の監督が処女作として世に問うた、この求心力の強いドキュメンタリーをどう書こうかと思っていたら、パンフレットに阿部嘉昭氏の余りにも見事な、詳説とでも言うような評論が載っていて、読んでただひたすら「そのとおりだ!」とうなずき、満足してしまった(←バカ)。同じパンフレットの佐藤忠男氏の文章がすっかり前座の趣である。

映画は、映画制作の専門学校で学んだ野本大監督が地元埼玉で知り合ったクルド人難民カザンキラン一家の、日本での闘いを描いた前半と、カザンキラン一家を迫害したトルコとそこに住むクルド人を現地で取材した後半からなる。しかし、そんな言葉でまとめられるような単純な内容では決してない。

大体、日本人には難民そのものが遠い存在である。クルド人にいたってはさらに遠い存在である。でも、「何も知らなかった日本人としての私」=監督自身の視点から描かれていることと、カザンキラン一家を、難民という、社会問題を背負った単なる取材対象としてではなく、監督自らが彼らと関わる日々の中で信頼を深めた結果としての、日本で困窮している身近な「友人」一家として描いているため、日本人の観客にも入り込み易い。

恥ずかしいことだが自分自身、クルド人がどのあたりに住んでいる民族で、どのような歴史的背景を持っているかということを、ごく簡単にとはいえ知ったのは、2006年の東京フィルメックスで上映されたイラン映画『半月』(バフマン・ゴバディ監督)を見てからだ。それ以降は、新聞の国際面に載るトルコでのクルド人弾圧の記事なども目にとまるようになった。『バックドロップ・クルディスタン』には、『半月』に出てきたような、死んだように静まり返った貧しい村が登場する。取材費用などごくわずかだったであろうに、監督はそんな山奥にまで行って、クルド人のアイデンティティ、いや、友人であるカザンキラン一家がどういう人たちなのかを知ろうとした。

でも、クルド人難民を追い、トルコで現地取材までしたこの映画が訴えかけるものはクルド問題ではなく、日本という国の閉鎖性と日本人の無関心だ。

トルコから逃げて来て何年も日本に住み、日本語も覚えたクルド人一家が、日本では移民として認められた形で暮らし続ける術がなく、国連からの難民認定を持って別の国へ行くことしかできない。その国連の難民認定ですら、国連大学前での座り込みによってやっとの思いでもぎとったものなのに、一家揃っての第三国への出国前に、一家の父と長男だけが、入国管理局での仮放免申請(不法滞在とされないための日本での在留資格の申請)時に突然収容され、特別な理由もなくトルコへ強制送還されてしまう。残された母と娘たちは、再び一家が揃う日を夢見て、自分たちだけで第三国へ旅立つことになる。

パンフレットによれば、日本の難民受入状況は、欧米諸国の年間数千~数万人に比べ、年間数十人という少なさで、クルド人難民に至っては、およそ500人ほど住んでいるにもかかわらず、1人として難民認定されていないのだという。

日本を舞台とした前半は、カザンキラン一家の人間としての叫びが画面を支配し圧倒するが、主役の一家が姿を消し、舞台をトルコに移してからは、友人家族が安心して暮らせる国に行こうという矢先に引き離された上、その命までを危険にさらすような目に合わせる理不尽が、監督自身の母国の政府によってなされたという憤りとやるせなさ――「何でなんだよぉぉ!」という叫びと、その国を形づくっている国民の1人である自分への深い自責の念が、映画を引っ張っていく。

ラストシーンは、カザンキラン一家の父アーメットが、監督に向けて語りかける「日本人は悪くない。クルド人も悪くない。悪いのは日本のシステムだ」という声で締めくくられている。

この映画の、たった2人のチームである野本大監督と、撮影と編集とプロデューサーを兼ねた大澤一生氏は、阿部嘉昭氏の批評が言うように「慎ましく」、父アーメットの最後の言葉を「目を伏せて」聞いている。目を伏せてというのは、話をしているアーメットと視線を合わせない、つまりカメラがアーメットの顔を映さないということだ。「日本人は悪くない」という言葉に居心地の悪さを感じて戸惑うかのように、フレーム(視線)をアーメットからそらし、目を泳がし続けて映画は終わる。アーメットの表情を映した部分もあったのかもしれないが、選んだのならなおさらに、あのもじもじとした画面は、「悪いのは日本人ではない」という言葉に納得せずに行く、という厳しく慎ましやかな意志表明であると思う。

映画の中には、ジャーナリスティックな状況分析の部分もある。そんなあたりも含めて、世界各地で続けられている民族紛争が、歴史や宗教の問題というよりも多分に、経済的政治的な要因が強いのではないかということを、何となく考えさせられたりする。そしてその「政治」のあり方を選択しているのは、国民なのだということも……。

【公開予定】
◆横浜・シネマジャック&ベティ(8月16日(土)~29日(金))
◆広島・横川シネマ       (9月6日(土)~)
◆名古屋シネマテーク     (公開決定)
◆大阪・第七藝術劇場     (公開決定)

舞台挨拶での野本監督を見たら、全然似てないのに、なぜかポン・ジュノ監督を思い出しました。若いからか?

2008.06.02

関心事矢の如し

ごぶさたしております。

先週、日曜の勤務が夕方終わったので、『アフタースクール』を見たいと思い有楽町まで足をのばしてみたのですが、満席で見られませんでした。『運命じゃない人』も見損ねたままですが、内田けんじ監督は注目の監督の1人ですね。何とかして見にいきましょう。

5月上旬には、岩波文庫『幻の声――NHK広島8月6日』を夢中で再読したり、やはり同じ岩波文庫の『東京大空襲 昭和20年3月10日の記録』を読んだりしていました。『靖国 YASUKUNI 』が話題になっていたこともあり、戦争つながりで読んだ書評に猛烈に引きつけられて、ちくま新書の『靖国問題』も買いました。自分にとって特別(に大切)な本というのは、意外と新書に多かったりします。その後、岩波新書『パレスチナ』と、『夜の片隅で』&『二遊間の恋』(←このあたりは何度も読んでいますが、ときどき読みたくなるシリーズです(笑))を経て、今はハードカバーの『映画史への招待』(四方田犬彦著)の途中です。『台北人』にとりかかるのは、このあとでしょうか。

さて、実質的に追いかけられるかは別として、本やら映画やらの気になる情報を、備忘録代わりに書いてみます。

まずは、『血と暴力の国』のコーマック・マッカーシーの傑作(って、『血と暴力の国』だって十分傑作なのに)と言われる、2007年のピューリッツァー賞受賞作『ザ・ロード』が、早川書房から6月15日に発売されます。翻訳はもちろん黒原敏行氏。

ファスビンダー映画祭(6月21日~7月5日)もあります。DVDボックスは持っていますが、やはりスクリーンで見たいです。ことしは、どうやらドイツ映画祭の方は、開催されないような雰囲気なのが残念です。

東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のラインナップも発表になりました。『バンコク・ラブストーリー』もめでたく上映です。しかし自分的に絶対にはずせない1本は、やはり『愛のジハード』ではないかと……。周美玲のDrifting Flowersも見られます。

周美玲といえば、シネマート六本木という評判今ひとつ(?)の劇場で開催される、台湾シネマ・コレクション2008というイベントで、昨年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で上映された『刺青』と、もう1作品とが上映されます。このイベントでは、張孝全くん(←もう「くん」呼ばわりするあどけなさはほとんど残っていませんね……)が主演の『沈睡的青春』も上映されます。こちらは予告編で見た限りでは、『夢遊ハワイ』や『花蓮の夏』のような雰囲気の「またかよ」な青春物ですが、鄭芬芬という女性監督のデビュー作だそうで、台湾は面白い女性監督が多いですから、少し楽しみにしてみたいと思います。見られると良いのですが……。イベントの公式サイトで発表されているラインナップで、原題そのままの映画が多いのがちょっと気になるところではあります。

このシネマート六本木では、タイ式シネマパラダイスというタイ映画の特集上映もあるのですが、我らが(?)アピチャッポン・ウィーラセタクン特集もありまして、『トロピカル・マラディ』、『ブリスフリー・ユアーズ』、『アイアン・プッシーの大冒険』を再見するチャンスです。『世紀の光』がもう一度見られないのが残念。

孝全くんと言えば、少し古い話ですが、香港電影迷宮さんのblogで見た、劉國昌監督の《弾.道》はどうなっているのでしょうか? 任達華との共演と言われれば期待しますよね。リンクしたように、公式サイトらしきものは一応あるのですが、最初に見たときからまったく更新されていません。

SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2008の陳果作品も、見落とすわけにはいきません。動画サイトでも見られるようですが……。

バックドロップ・クルディスタン』も公開されます。

2008.04.21

キャプテン・ジャックに再会

2月には既に発表になっていたらしいんですが、たった今DVDの発売予定表見ていて気付きました。ついに、あの『ドクターフー』のスピンオフ"大人向け"シリーズ、《Toachwood》の日本版DVDが発売になります。

秘密情報部 トーチウッド DVD-BOX』 6月4日発売
秘密情報部 トーチウッド シーズン2 DVD-BOX』  8月6日発売

制作・監督・脚本はもちろん、ラッセル・T・デイビス。こんなの2つ買うぐらいなら、NAKBAのアーカイブ版を予約しろよという感じですが……。でも、買うと思いますね、きっと。とはいえやはり、放映はなかったか……。もう公開は無理だろうから、どこかで《Infamous》、せめて日本版DVD発売してくれないかなぁ(←まだ諦めきれないヤツ)。

さて、おもしろいことになってきた北京五輪の聖火リレー。中国のチベット弾圧には声をあげるべきだと思いますが、でも反中国の日本人の中にときおり見られる「あんな非民主的な国なんか」とか「あんな言論の自由のない国なんか」という中国に対する物言いには、苦笑させられます。日本だって決して表現の自由があるかといったら……。今やもう、かなり小さくなってきつつあるのではないかと思います。人の国のこと、言えますかね。

しかし報道管制を敷かれているからとはいえ、チベット弾圧に抗議した国でデモンストレーションを行った中国の若者たちは、天安門事件のことなんか頭にはないのでしょうか?(国民に対する国の弾圧に国民が怒る道理はあるけれど、国民(被支配民族)に対する国の管理(弾圧)に他国民は怒る道理はない、というロジックに掠め取られてしまっているのでしょうか?)

世論がなだれを打つ怖さの一端は、「小泉劇場」の衆院選のときに感じました。きっと中国にも、理性的な人はいて、事態を憂慮しているのではないかと思いますが、そんな人がいたとしても、声を出せる雰囲気ではないでしょう。「やり方」も国民性も違うけれども、なだれを打ちがちなダメさは、どこか日本と似ている気が……。

2008.03.31

花冷え

寒さで花見にも行かずじまい。

オスカー・ワイルドの戯曲『まじめが肝心』を、ルパート・エヴェレットのアルジャーノン、コリン・ファースのアーネスト(ジャック)、リース・ウィザースプーンのセシリーで、2002年に映画化したラブ・コメディ《The Importance of Being Earnest》が、何だか知りませんが今ごろ、国内盤DVD(タイトル『アーネスト式プロポーズ』)として4月4日に発売されます(DVDスルー、日本公開なしの模様です)。海外版でとっくに見てしまっているし、何ら特典もなさそうな感じなんですが、細かい言葉遊びの部分などは是非日本語字幕で見てみたい気がします。ガイ・ベネット母を演じたAnna Masseyも出演……というか、脇を固めているのはえらく豪華な方々ばかりです。

そして、ことしもまたEUフィルムデーズ2008がやってきます。ラトビア、リトアニア、スロヴェニアといった滅多に見られない国の作品もあります(一部、日本語字幕なしの上映もあるようですが)。5月16日~6月5日。

アラブ映画祭はその後、25日にラシード・マシャラーウィ監督の『Waiting』と、サミール監督の『忘却のバグダッド』を見ました。どちらもアンコール上映で、中東を知る上で非常に重要な作品です。『Waiting』は中東地域のパレスチナ難民キャンプを巡っていくドキュメンタリー仕立てのフィクション。『パレスチナ・ナウ』を読んで以来、見たかった作品の1つです。"Waiting"とは、ガザ地区で建設中の国立劇場の杮落としの芝居のために行う俳優オーディションで、俳優たちに与えられるテスト演技のテーマなのですが、登場するパレスチナの人々の多くが、日々の生活においても、人生においても、希望もなく、あるいはすがるような思いで、あるいはほかになすすべもなく、「待っている」「待つしかない」状態に置かれていることが見えてきます。国もないのに国立劇場、8年もつくり続け出来上がる保証もない劇場なのに杮落としの準備、そんなグラグラな足場の上で、ガザを出て各国のキャンプを回るオーディションを義理で引き受けた映画監督(主人公)が、徐々に真剣になっていく様子が興味深く、その真剣さを打ち砕くような結末がリアルです。でも基本的には、アイロニカルなコメディです。そのあとに見た『忘却のバグダッド』とともに、見るべきこと、読み取るべきことが沢山ある作品なので、1回見たぐらいで何かが書けるとはとても思えません。『忘却のバグダッド』は、インタビューと古い中東の映画の場面で綴るドキュメンタリー。登場するのは、全員がイラク系のユダヤ人。イラクにおいてはアラブ人として暮らしながらもユダヤ人として差別され、イスラエルに移住しユダヤ人として暮らせば、イラク人・アラブ人として差別されたという。ニューヨーク市立大学で教鞭を取るエラ・はビーバ・ショハットが、イスラエルのテレビ番組で「イスラエルに差別はある」と発言し、反発する司会者を尻目に、スタジオ内の観衆の支持を勝ち取る場面は圧巻です。ショハットの本で、日本語訳されたものはないのでしょうか(なさそうだ)。しかし、こんなことしか書けないのがもどかしいです。

2008.03.23

曼谷愛情故事

以前、近況で書いた《Bangkok Love Story》。ポット・アーノン監督の2007年公開のタイ映画。"曼谷愛情故事"は台湾の公開時のタイトルで、香港では"曼谷之戀"で公開されていたようです。今さらな話題ですが、自分のバカさ加減に呆れながらも、本日動画サイトでほぼ全編見てしまいました……。→公式サイト

雰囲気的には、『ブエノスアイレス』の設定を借りて、パラレルワールド黒社会モノの2時間ドラマをつくりました、それを甘ったるいバラードに乗せて長編MVにしてみました、といった感じもなきにしもあらずですが、主役2名が2枚目&素敵なボディ&無精ひげ面なのと、テレビドラマ的な、展開のための展開といったストーリーの合間に、視線と視線が絡み合うラブシーンがはさまり、まあ飽きさせはしません。音楽はうるさいですが、台詞が少ないのと、真摯に取り組んでいる感じは良いです。主演は、殺し屋がRattanaballang Tohssawat(ラタナパンラン・トーサワットと読むらしい)、ターゲットがChaiwat Thongsaeng(チャイワット・トーンセーンと読むらしい)。台湾での紹介記事を読んだときには、殺し屋と刑事の恋愛物と書かれていたような気がしましたが、それは記憶違いで、殺し屋とそのターゲットとして出会った男たちのラブストーリーです。最もホモソーシャルなジャンルを題材にしたところと、ラブストーリーの部分の力関係では、ターゲットだった男が追い、殺し屋が逃げる形になるところが新鮮味といいましょうか……。

フィリピンでも、ジェイ・マナロでマニラ・ラブ・ストーリーとか、だめですか? 監督はもちろんエリック・マッティ(笑)。

すっかり夜明けです。アラブ映画祭、爆睡してたらごめんなさい。

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