2013.05.12

クマ系 ~カテゴリ・キャッチアップ

「かわいい」カテゴリは自分が気に入っているだけで、ほとんどどなたも期待していないと思うので、その前にお知らせを。

器用、不器用、自然、不自然」と「大阪アジアン映画祭で《女朋友。男朋友》上映」に関連事項を追記しました。別立てで書けばいいのですが、そこまでのものでもないと……。ご興味がおありでしたら、見てやってください。

で、「かわいい」に本題に入ります。

◆◆◆

今やクマと言えば飛ぶ鳥を落とす勢いの「くまモン」がいるが、パッチョやポポックのあとに出現した、我が最大のアイドルは「アルクマ」である。別にくまモンが嫌いなわけではない。ひこにゃんをかわいいと思うぐらいにはくまモンもかわいいと思っているが、自分がここで取り上げる必要はない大メジャーである。アルクマは、当初、JR東日本の長野(信州デスティネーション)キャンペーン・キャラクターとして登場し、その余りの人気に長野県の観光PRキャラクターとなった。「信州をクマなく歩きまくり、信州の魅力を世の中にクマなく広めるのが生きがい」という、「歩く」と「熊」を合体させたネーミングがかわいい。デザインされた2次元版のアルクマは当然かわいいが、観光キャンペーンのために各地に出没する着ぐるみ版のアルクマも相当かわいい。近くのショッピングモールにアルクマが来たときに、恥ずかしげもなく見に行った。さすがに1人でツーショットをお願いする勇気はなく、よその子どもたちと遊ぶアルクマを追いかけて写真に撮ったりした。頭が大き過ぎてバランスが悪く、1人で動くのは危険のようで、お付きの人がついていることが多い。イベント中に後ろをとられ背中のリュックの中を覗かれるというのも、有名なエビソード。

アルクマを好きになったきっかけは、信州デスティネーション・キャンペーンのときの素晴らしすぎる駅貼りのポスターの数々だ。
Arukuma_kokowa_2 Arukuma_korewa_2 Arukuma_imawa_2 Arukuma_kimiwa_3 Arukuma_konosaki_2

日本の伝統的な風景の中にいる、テッカテカな異次元の生き物。そして、このキャッチ。「ここは、どこだ。」「これは、なんだ。」「いまは、いつだ。」「きみは、だれだ。」「この先は、どこだ。」 コマーシャル映像の方では、これらのキャッチコピーがアルクマのつぶやきとなって信州の美しい景色の中にこだましていた。

長野駅のKIOSKまでアルクマのボールペンやらストラップやらを買いに行ったこともあるが、一番欲しかったのは、このときのポスターである。特に「いまは、いつだ。」の、妻籠の家並みとアルクマが並び立つ薄暮の不思議な情景はある種SFのようでもあり、ずっと眺めていても飽きないほどの傑作だと思う(画像中央)。


さらにもう1つ、いやもう1匹、もう少し最近のところで気になっているクマが、グリーティングカードでおなじみのホールマーク(日本ホールマーク株式会社)の商品キャラクター「リト」。「ベアーズ・ウィッシュ」というシリーズのクマのキャラクターでRie Yamanakaさんとおっしゃる方が絵を描いている。ホールマーク以外の企業からも絵本やらグッズやらが出ているようだが、あくまでもホールマークのオリジナル・キャラクターとして開発されたもののようだ。「何?このファンシー」と趣味を疑われそうなきらいもあるが、この明るく優しい背景画の中に描かれているリトの小さな身体から漂う孤独感がとても可憐なのである。お友だちキャラクターもいるのだが、もともとグリーティングカードのメーカーが開発したキャラクターであるから、常に「そこにいない誰か」に思いを馳せているというのが基本のスタンスだ。リトの笑顔を見ると、「イツモシヅカニワラッテイル」というあのフレーズを思い出す。

キャラクターには見た目であれ性格的なものであれ個性が重要だ。あのリラックマだって、素朴だが練れた絵柄にぐうたら且つおっさんの性格だから魅力的なのであって、見た目だけなら大したことはない。

リトの無垢な表情に、孤独の深淵を垣間見て感情移入するバカはひねくれ過ぎだろうか……。(ちゃんとカードやら付箋やらノートやら、もろもろ購入していますので許してください、ホールマークさん)

2009.03.10

春もありがとう

Haru_popock1
秋はなかったはずなのに(ですよね?)、夏&冬に続き、春も郵便局にて「ありがとうフェア」開催中。3月2日~4月17日まで。

冬はシールが2枚集まったのに、応募ハガキを投函し忘れたまま期限が来て終了した。シールはかわいいし、シーズン中は、郵便局内にキャンペーンポスターやらノボリやら、にぎやかに飾られて盛り上がっている感じもなくはないが、ありがとうフェアでもらえるのは普通の賞品で、ポポックたちとは一切関係ないため、今ひとつ応募に気合いが入らない。

でも、サイトで見る春のCMは、映像も歌もなかなか可愛い。 ♪郵便局でシール、シールもらう。春、春、当たる。貼る、貼る、当たる♪ テレビ放映を見たことはないが……。

2008.11.25

冬もやってます。

Posties郵便局のありがとうフェア。冬は、ポポックに仲間が増えて帰ってきた。

青いのは「ベルリック」(ベルリッツではない)。ブルーベリーヨーグルト好きの体操選手で、首から提げているのはホイッスル。緑のは「キミック」(ギミックではない)で、メロンパン好きの花屋さん。ちなみにポポックは、アップルパイが好きなのだそうだ。どうりで頭がリンゴっぽい。そういえばベルリックも、頭がブルーベリーっぽい。

で、3人揃ってポスティーズだと……。今回用にデザインされたチームキャラクターだと信じたいが、だとすれば、ディズニー色が払拭されて良かった良かった!(→「冬のありがとうフェア」では鍋の具が当たります。でも、応募できるほど、郵便局行かないし……)

夏も良かったが、雪のポスターは冬らしくて、これまた素晴らしい出来だ。今回のロゴも良い。

初めて見たのは夜中だったので、雪の模様は見えなかったけれど、きみたちが上を向いて何をしているのか、何を見ているのか、すぐにわかったよ。冬だもんね。

郵便局で、カウンターに置いてあるぬいぐるみを物欲し気に見つめる中年女には要注意だ(←俺だ)。


さて「かわいい」といえば、ラジオでやっている、春日井の黒あめのCMが、かなり以前から好きだ。キャラクターではないのだが、このCMは何ともかわいい。春日井の黒あめは、ことし、イメージキャラクターが高木ブーから氷川きよしに代わった。その新CMで氷川きよしが歌っている ♪青い空、白い雲、黒あめ。春日井の黒あめ♪ というダイナミックな歌詞もなかなか面白い。(リンクはテレビバージョン。自分はテレビでは見たことはない)

でも、何と言っても素晴らしいのは、タレントが出ていない地味なラジオCMだ。その1バージョンに、何と、黒あめを絵描き歌で描こうという大胆な発想のCMがある。だって、黒あめは黒くて丸いだけだから、絵描き歌といったって簡単なものなのだ。それを大真面目にやっている。まずは子どもの叫ぶ声で「黒あめ絵描き歌!」。次にやや小節の回った日本調の女声が「あ、丸描いて、塗りつぶす。あ、丸描いて、塗りつぶす」と、音頭か何かのように繰り返し歌うだけ。思わず一緒に手が動く。そして、聞くだに可笑しい。

→こんなこと書いてないで、フィルメックスの感想書けよ、自分。

2008.07.06

ポポックLOVE

Photoひさびさに出てきてこのネタ、というのもナンですが……。

ことしは、昨年末の切手の再版をきっかけに「エゾクロテン」のミニブームだったのだが、ここにきて久々に、練れた大物キャラクターが登場した。長らく自宅PCの壁紙に貼り付いていた『ハッピーフィート』のマンブルさえ、あっさりと押しのけて……。

それが画像の「ポポック」。民営化にともない鳴り物入りで(?)登場した、日本郵政グループのイメージキャラクターである。

郵便局のマスコットといえば、民営化前は、リスのユウちゃんとアイちゃんと、郵便番号7桁化を広めるために生まれたポストン(ともう1つ、知らなかったが、洗練されていない簡保のカンちゃんというのもいたらしい→郵政マスコットキャラクター切手)で、どちらも結構好きだった。郵便局のカウンターに鎮座するユウちゃんとアイちゃんのぬいぐるみを、何度も欲しいと思ったものだ。

そこへ、ポポックが彼らの喪失感を慰撫するかのように表われた。そのキャラクターとしての完成度の高さを見よ! 現在開催中の「夏のありがとうフェア」(※)も、ロゴも含めて、惚れ惚れする仕上がりだ。(※)「夏のありがとうフェア」は、郵便局で一定の商品購入やサービス利用のたびにポポックのシールをくれて、それを集めて応募すると、米とか肉とかが当たるという拡販キャンペーン。

だが、ポポックの出自には調べてびっくりな暗い過去があった。

それは、これがオリエンタルランド(言わずと知れた東京ディズニーランドをやっている企業)の子会社である、株式会社OLC・ライツ・エンタテインメントがプロデュースした『ネポス・ナポス』というアニメーション・ワールドの1キャラクターであるということ。OLCのホームページによれば『ネポス・ナポス』は、「くじらの形をした雲の上に広がる、不思議な世界「ネポス・ナポス」を舞台に、野菜や果物から進化したキャラクターたちが家族とのふれあいや友情、自然との共生をテーマに物語を展開」するアニメーションで、すでに放映されてDVDにもなっている。ポポックは、「ネポス・ナポス」の国の郵便屋さんという役どころ。親会社はオリエンタルランドだから、当然、事業はアニメーションに止まらない。舞浜のイクスピアリの中には、かつて「キャンプ・ネポス」という子供向けの体験施設があり(今は全国巡回システムになったよう)、入り口にはネポス・ナポスのキャラクターが飾られていたとか、あるいはそのものずばり、2004年から郵便局(日本郵政公社当時)と提携、イクスピアリの中には「こどもポストハウス」というという子供向けの郵便局があって(これも今はない)、郵便屋さんのポポックはそのメインキャラクターだったらしい……。

OLCのホームページの、ほかのキャラクターを見ると、ディズニーのキャラクターとは比べ物にならない、良くできたかわいいものばかりなのに驚かされる。東京ディズニーランドが苦手なので、その周辺のものには身構えてしまうのだが、ポポックに関しては、そこは目をつぶる覚悟である(←バカ)。

いずれにしても、キャラクター・デザインのエキスパートの仕事だったわけだ。

しかしポポックには、自分にとっての「かわいい」の大切なスパイスである、不気味さがほとんどない。それなのにこの好感度はどこから来ているのかと考えると、郵便配達をしている労働者であるという点と、みかん色のボディにお茶の新芽のような耳(?)がくっついている点と、かつて人気を博したウーパールーパーのようなあどけない口元あたりが理由かもしれない。

いや、でもやはり、あのオレンジの顔は少し不気味でなかなか良い。

キャラクター商品も発売中!

2007.12.23

耳の位置

Lismo1  Kitty

おなじみのauのLISMOとソフトバンクモバイルのハローキティ携帯

別にこんなメジャーなものが気になっているわけではない。

片やauのLISMO。これの最もかわいいところは、ヒトに比べて耳の位置が高いため、イヤホンのコードが非常に高い位置から垂れているところだ。このイヤホンのコードの垂れ具合にいつもぐっとくる。

そして、もっとメジャーなキティ猫をなぜ並べたのかというと、ソフトバンクの携帯電話を持っているキティ猫は、自分が話す声は相手に聞こえても、絶対に相手の声は聞こえないはずだと思うから……。なぜなら、耳が電話から遠すぎて……。巨人軍のように鼻持ちならぬ王道なキャラクターのハローキティも、こんな不如意なストーリーを読み取ってみると(←バカ)、意外に興味深く見えてくるから不思議だ。

耳といえば、パンダのかわいさの7割ぐらいは、あの丸い耳のせいなんじゃないかといつも感じている。

ちなみに、耳とは関係なく、最近いちばん気になっているキャラクター(下)。

Tanaka_kp

この漫才コンビは、田中貴金属の純金積立とプラチナ積立のキャラクター、田中キントン&プラトン。この手のキャラクターでのピカイチは、何と言ってもJAのちょきんぎょだが、キントン&プラトンも、ちょきんぎょレベルに育ってほしいなぁ……。

2006.11.06

火ぐまのパッチョ

新潮文庫のYonda?やら、損保ジャパンダやら、クマ系のキャラクターは大概かわいい(前にもこんなことを書いたっけ……)。このところはずっとAIR DOのクマ(ベアドゥ)がお気に入りで、PC壁紙などを愛用していた。まあ、このあたりは取り立てて何と言うこともない、普通のかわいいクマである。

だが最近、自分的に最強のクマが登場した。東京ガスのキャラクター、「火グマのパッチョ」である。

東京ガスのテレビCMは、妻夫木クンの部屋に歴史上の人物が訪ねてくる楽しいものが印象的だが、見かける回数では、東京電力の「Switch」(鈴木京香出演)には及ばない気がする。地球温暖化防止の動きには、ガスは分が悪いかもしれないが、どうしても原子力発電の影がちらつく「電化」生活の推進キャンペーンに負けずにがんばってほしい、などと思ってしまう。まあ、そんな思いもあり、そんな思いもなし、いや関係なし。東京ガスの火グマのパッチョは不気味な魅力にあふれたゆかしい存在である。

何せ、顔が「火」の字なのである。サイトに行って、すっかりゲームで遊んでしまったが、その中に登場する、"ガス乾燥機「乾太くん」"を紹介するときの、湿った洗濯物を手に持ったパッチョは、顔が「水」の字になってしまって困った表情をしている。早く乾太くんで乾かして、「火」の顔に戻りたい、とでも言うように……。ちなみにパッチョは火の国からやってきた王子で、故郷に君臨する父王の顔は、「王」の字でできている(わかりやすい)。

このクマが最強である理由は、不気味でかわいいという上に、デザインの勉強もしたことのあるらしい妻子ある成人男性にも、こんな感想を抱かせてしまうという所にもある。
       ↓
東京ガスのクマが、無駄にセクシーな件。

そう、かわいい「ぬいぐるみ」系クマのイメージを裏切り、セクシーなんである(尻の造形が)。しかも、こいつの動画を見ると、いわゆる「天の橋立て」ポーズ――しっぽのない丸々とした尻の間から頭を覗かせて、「へーん」とでも言いたげに相手を小馬鹿にした態度――をとるのが癖らしい。ファンシーさから逸脱したリアルな尻に、ハッとさせられるポーズ、かわいい風に見せながら余りかわいくなさそうな性格が、我々の心を翻弄する。こ~の小悪魔グマめが。

下半身水色というのも良い。輪郭線のタッチも良い。顔が、「火」の字であるゆえの、造作のかわいくなさも良い。

唯一の欠点は、キンキンし過ぎた動画の声か?

ということで、PCの壁紙はベアドゥからパッチョになってしまった(この壁紙がまた、本当にかわいくなくて、素晴らしい!)。ガス展でパッチョのついた台所グッズももらってきたし♪……(笑)。

『星々の生まれるところ』、読み終えたんですが、これは一筋縄ではいかない作品です。右サイドにも書いたように、ホイットマンの言葉の力強さが際立って心を揺さぶるし、おなじみのカニンガム・スタイルで美しいのですが、やはり3つのパートの絡み合い方が、これまでの作品とは違っているのが、まだ自分の中で上手くこなれなくて、いろいろ感じることはあるのですが、文にできないでいます。何か言えるようなら、書いてみたいとは思っています。

2006.08.15

赤像式ふくろう

Fukurou
2週間前に出かけて、余りの混雑に入場する気になれず、『ゲルマニウムの夜』でお茶を濁した「ルーヴル美術館展~古代ギリシア芸術・神々の遺産」。今回も大混雑だったが、もう公開日が残り少ないので覚悟を決めて芸大美術館まで行ってきた。ルーヴルなどという大メジャー美術館の名を冠した展覧会など、行くものではないことはよ~くわかっているのだが、最も有名なあの大王の像を、初めて間近かに見るチャンスを逃すわけにはいかないということで、とても芸術と対峙するような環境ではない夏休みの大混雑の館内を、とはいえ芸術がわかるのかお前に……と言われてしまえば返す言葉もないけれど、とにかく耳を塞ぎ目を瞑りながら、歩いてきた。

幸いなことに、芸大美術館であるのでさほど大規模ではなく、思ったほど疲れず飽きず、なかなか楽しく見られたのだった。しかもバリバリのギリシャである。大理石の、完璧な美しさを持った人型のオンパレード。美神たちや、神々しいばかりの肉体美の青年像、はるか昔の市井の人々の暮らしが見えてくる様々な年代の人々の墓碑、ユーモラスな演劇用の仮面、有名なあの哲学者、あの詩人、あの劇作家たちの頭部像(ソクラテス、プラトン、アリストテレスが並んでいるところは、その「顔」の違いに性格の違いを想像したりして妙に面白かったし)、最後には、ルーヴル美術館の宣伝を兼ねた、2つのヴィーナス像(今回は来なかったミロのヴィーナスと、展示されていたアルルのヴィーナス)の様式の違いを解説した短い3D映像も上映されていて、非常に面白かった。

中でも特に気に入ったのが、上に貼った画像の壺。「赤像式オイコノエ ふくろう」。

この赤像式の陶器は、「ベルリンの至宝」展でも登場していたが、日本人にはこの色彩は、どう見ても漆器である。手で触れてみないことには、陶器だとは信じがたいのだが、とにかく黒地の陶器に赤い彩色の図案を描いたものが赤像式というものらしい。逆に赤地の陶器に黒で図案を描いたものは黒像式で、こちらの方が赤像式よりも先に歴史に登場する。そんな、神話の場面や、人々の生活風景、芝居の1シーンなど様々な図柄の赤像式や黒像式の陶器が、いくつも展示されていた。

オイコノエとは、大きな酒器から小さな酒器へワインなどを注ぎ分ける容れ物のこと。容器は、用途と大きさによって皆、名前が異なっていて、それがいくつもいくつも展示されているものだから、しまいには、しばしば登場する容器の名前を覚えてしまった(←すぐ忘れました)。映画『アレキサンダー』で、大王が酒を飲むのに使っていたいくつかの器は、何と言う名前なのかなどと考えたりもした。道具つながりでは、陶器ではないけれど、スポーツのあとに汗と垢をこそげ落とす器具というのも、不思議に印象的だった。

さて問題はふくろう。ふくろうは、アテナ女神(ミネルヴァ)の象徴で、このオイノコエに描かれたふくろうは、甲冑を身につけ、縦と槍で武装している。両脇に見える細長いものは、オリーブの木で、これもアテナの聖木だそう。丸い目玉に小さなくちばしで、とぼけた表情をしているのに、足のつめは鋭く、槍を持つ腕は筋肉質である。そして、あんな丸い頭に、無理矢理のように兜をかぶっているのが、どうしようもなくかわいい。槍を持たせたためか、身体が少し前傾しているところも、図案としてかわいい。ほかに展示されていた赤像式の陶器は、壺のたぐいも、杯も、割合大きなものが多かったのだが、これは非常に小さく、その大きさも、武装したふくろうが、ぎりぎりの線で不気味ではなく、かわいいものになっている理由かと思われる。

図録に書かれた解説にも、「このオイノコエは、一見稚拙のように見えて実は意外に達者な、ある程度の技量を持った画工が余技に手がけたような運筆で、いかにも子供が喜びよそうなユーモラスな表現で、オリーヴの木と武装したふくろうが描かれている」とある。すみません、子供程度の脳のおばさんも喜びました……(汗)。

大王と対面した感想はというと、これはやはり凄い存在感だった。隣に、重厚なデモステネス像(←渋くて素敵な親父だ)などもあったのだが、彼らの人間的な表情に比べ、アレクサンドロス像はむしろ神像に近いような圧倒的なパワーを感じた。だが、あくまでもイデアの発現である神々たちの像よりは、元が本人をモデルにしているだけあって、完璧な顔立ちではないところに、また別の意味でリアルな力が加わっていると思う。この人の目がこちらを見つめたら、本当に怖そうだ。

ミュージアム・ショップではこんなものも発売されていた。このインフォメーションにあるような重厚感など、全然なかったけど……。海洋堂制作の食玩あたりで、ギリシャの神々シリーズでもやるほうが余程良いんじゃないか(って、全部大理石風じゃ、色味がなくてつまらないか……)。

→展覧会は8月20日まで(9:00~17:00)。

2005.10.08

かわいい電車のぬいぐるみ

teppy10月14日は「鉄道の日」。鉄道唱歌でしか知らない新橋~横浜間の鉄道が明治5年に開通した日なのだそうだが、その「鉄道の日」を目前にした8日と9日(きょうとあす)、日比谷公園で12回目となる鉄道フェスティバルが開催されている。

で、本日はその鉄道フェスティバルの一環として、鉄道映画祭2005が行われたのだった(相変わらずの内職作業で外へ出られなかったのだが)。この鉄道映画祭では毎年、鉄道にちなんだ子ども&ファミリー向けの映画1本と、日本映画と外国映画の名作が1本ずつ、計3本が上映されているが、ことしは『ポーラー・エクスプレス』と『海峡』(1982年日本、森谷司郎監督)と『偶然』(1981年ポーランド、クシシュトフ・キェシロフスキ監督)という、なかなかに素晴らしいラインナップだった。いや、残念。

実は、きょう鉄道フェスティバル&鉄道映画祭が行われているのを知ったのは、東京都交通局の「2スピード浅草線」ポスターを見たのがきっかけだった。

2スピード浅草線」とは何か。リンクをご覧いただくとわかると思うが、東京都交通局が゜10月15日に1万個限定で発売する浅草線5300形をモデルにしたぬいぐるみの電車(西馬込行き!)で、最初はゆっくり、次第にスピードを上げて走り出すという「チョロQ」系の乗り物おもちゃである。

いや、はじめはどうも思わなかったのである。しかし、乗車待ちの間、これの販促ポスターの前に立つ機会があった。ポスターの、丸っこくて寸づまりのぬいぐるみの列車の写真につけられていた、特に驚くこともないようなコピーが自分の単純な頭を直撃した。

「かわいい電車のぬいぐるみが、最初はゆっくり、そしてビューっと走り出します」とか何とか書かれていたっけか……。この「かわいい電車のぬいぐるみ」というのが、引っかかった。

とにかく、ポスターのキャッチの「電車」という言葉の前に、「かわいい」という形容詞がついていたのが余りに新鮮で――まあ「かわいい」という修飾語は「ぬいぐるみ」にかかるのか「電車」にかかるのか「電車のぬいぐるみ」にかかるのか、正確なところはわからないが――次第に、ぬいぐるみとしては平凡なフォルムの「2スピード浅草線」のずんぐりボディが、「かわいい」気がしてきてしまったのである。

ああ、かわいい。

あんな無機物も、ぬいぐるみにすればかわいいんである。機関車に目鼻をつければ、「トーマス」と愛称もつき、愛着が湧くのと同様に(?)。

さらに自分、「かわいい○○が××します」系のフレーズには弱い(←やばいよ)。

あ、そうそう。それで、この「2スピード浅草線」が、発売日より一足早くファンの前にお目見えするのが、本日とあすの2日間開かれている「鉄道フェスティバル」なのである。「なにぃ!? かわいい浅草線5300形のぬいぐるみが、フェスティバルの東京都交通局ブースで500個限定先行発売ぃぃ?」と色めきたって調べていたら、鉄道映画祭情報に突き当たったのだった。

ちなみに、リンクした東京都交通局の「2スピード浅草線」発売記事ページの「ツーアックション」というのも、微妙にお気に入りだったりする……。


東京国際映画祭のチケットは、電話とウェブでよろよろと取った。『恋愛は狂気の沙汰だ』と『恋愛の目的』はとれなかったが(ブーム恐るべし)、あとは何とか……。わりあい好きな李康宜も出ているし、立ち読みした雑誌で見たスチール写真では『ブエノスアイレス』色をしていてなかなか雰囲気もよく、どうするか迷っていた王明台監督『恋人』は、やっぱり見ないことにした。ほかは、人気のありそうなものは取らなかったので、特に問題はない。コンペのハンガリー映画『ダラス地区』とアジアの風の『ジョニの約束』が、自分の組んだスケジュールに合わなかったのが残念。これからでも、組み換えられるかな?

(おまけ)
全く関係ないが、台湾では11月25日にいよいよ、ドイツ映画『夏の突風』が公開される。公式サイトもどんどんできてきている。公式サイトの「影音特区(Media)」のページに、今のところはまだ「――幕後花絮、電影刪減片段…等、即将公開――」と書かれているだけなのがリンクされる日が大変待ち遠しい。日本でも公開しようよ~~。

2005.06.15

チコ

千葉工業大学のマスコット、チコ。もちろん名前は、「ウギョウダイガク」からつけられたのだと思われるが、このキャラクターのかわいさの半分は名前にある。単に学校の名前の頭の音を並べただけなのに、イタリア人名のようなポップなかわいさを醸し出すネーミング・センスは本当に素晴らしい!

チコを知ったのは何年も前だが、どうやら毎年受験生向けの「オープン・キャンパス」の時期になると、沿線の電車内にポスターが貼られるらしく、そのポスターに毎年添えられるのがチコの画像。そんなこんなで、今年もチコの姿が目につき、存在を思い出した。「うわ~、かわいい!」というような決定打はないのだが、見かけると、頭の中が「チコ」「チコ」「チコ」「チコ」とその名でいっぱいになってしまう……。初めて見たときから、気になる奴だった。

CGだし、身体のフォルムは某世界的に有名なネズミ風だしで、基本的には明るいのだが、どことなく佐川急便の飛脚を思わせる顔の形、殊にニンマリとしたスマイルマーク型の口が顔のやや上についているため、下からあおったアングルの不気味さの陰が加味され、このキャラが深みを増しているような気がする。

サイトを見て気付いたが、チコと一緒にいる、スピード感の増した「ぴちょんくん」のようなキャラクターは何だろう?

2005.04.19

たらこキューピー

tarako
大メジャーではあるが、「キューピーパスタソースたらこ」のCMに出てくる「たらこキューピー」はかわいい。キューピーのサイトには、「たらこキューピー行進篇」と「たらこキューピー回転篇」の2作のCMの動画や解説を含んだページがある。

この「たらこキューピー」、身長21センチ、体重450グラムだそうで、たらこのボディにキューピーの面がついている。ちょっと見、サンリオキャラのマイメロディのような楚々とした可愛さかと思わせておいて、実は初期の胎児のような不気味さをもっており、たいへんよろしい(by B・ジョーンズ)。何といっても、「たらこ」も卵である。卵のフォルムは一様に可愛らしいが、その中にうごめく生命を思うと、やはり得体の知れぬ薄気味悪さを禁じ得ず、完全にツボである。そして、美味ければ言うことなし。次は「ウニ」(黄色いキューピー)か「いかすみ」(黒いキューピー)を期待したい。

サイトでは、物狂おしく懐かしい音色の、巨匠・上野耕路のCM曲も着メロダウンロードできる。たいへんよろしい(のか?)。

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