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2008.03.02

いろいろ

ごぶさたしております。

いつのまにやら外気にも春のやわらかさが混ざり始め、先月の半ばを過ぎたころから、国書刊行会のサイトでは白先勇の『台北人』の4月刊行という予定が発表されています。

アラブ映画祭2008も、もうすぐです。『ヤコービエン・ビルディング』(→感想)も再映されます。傑作とまでは言いませんが、エジプトの今と、エジプト映画に触れるに好適な1本だと思います。芸達者な俳優さんたちがたくさん出ていますし……。チャンスがあったら、足を運んでみてください。私も、休暇を取ってでも全作見たいものだと、あくまでも希望はしています。(でも、仕事がさらに忙しい時期でして……)

アン・リーの『ラスト・コーション』をやっと見てきました。ヒロイン王佳芝にスポットを当てれば、"ゾフィー・ショル"な物語であるわけですね。でも、ラストは、BBM同様、男の心に「思い出」として収まった愛という形で終わります。政治も恋愛も家庭もSMもひっくるめて、虚虚実実の腹の探り合いの中で、わずかに通う人間の心身……というか、殺るか殺られるかの瀬戸際にまで行って始めて触れる相手の心身の一角……というか、むしろその「愛のようなもの」の得がたさは、人の孤独の深さを見せ付けます。

湯唯は見事にはまっていたと思います。最初から出来上がった名女優ではないことが、見るものにそのまま「素人女スパイ」の危なっかしさを感じさせてくれ、またその「成長ぶり」にも目を見張らせられました。香港での最初の易との食事のときの、ワインを飲んだ彼女の妖艶さ。上海での「当日」直前の仲間のアジトで、トゥオ・ゾンファ(龍子さん!)の呉に向かって、易とのことを語る彼女の力強さ。惚れ惚れと見ていました。小さな唇のあどけない顔は、決して好きなタイプではないんですけれどもね……。

で、さらに決して好きではない梁朝偉。見ているときには、「珍しい役柄でなかなか良いなぁ」という程度にしか思わず、湯唯ばかりに気をとられていたのに、後になって頭に浮かび上がってくるのは、この人の重暗いシルエットと表情なんですね、くやしいけれど……(笑)。

BBMよりも複雑で、もっといろいろ考えていったら嫌いになる可能性すらある、素晴らしい工芸品のような1作だと思います。

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コメント

@ゆうこさん、コメントをありがとう。

今まで放置ですみません。やっと一昨日の日曜日に『台北人』を買いにいけたので、お話できる状態になりました。

4月上旬だったか半ばだったか、国書刊行会のサイトに確か「4月末刊行」と情報が載って、発売を楽しみにしていたのに、そのあたりから全く大型書店に行く時間がなく、職場の近辺の書店を昼休みに回ったりしていたのですが、ある程度大きな書店でも普通の書店では、今だにどこにも置いていません。

ということで、やっと休みがゆっくりとれた18日の日曜日に丸の内の丸善で入手しました。

まだ読めていないですが、空けてびっくり。台北人、知っている作品ばかりではないですか!(というか台北人シリーズの1作だとの認識が無知な自分にはなかったというだけですが……) 沢山の作品が映画や演劇として脚色されてもいますよね。《金大班的最後一夜》も再録ですね(当たり前か)。この短編集は白先勇文学のバイブルであり、子どもにとっての宝箱のような「とても大切な物」といった気持ちにさせる本です。

『聴く中国語』の白先勇インタビューも、牡丹亭の話でしょうか、興味深いですね。

東方書店も内山書店も、このごろ全然行けないなぁ。内山書店の2階、大好きで良く行ったのですが……。

「台北人」 無事発売されてましたよ。

神保町の東○書店では平積みでした。

解説がすごく長くて、読み応えがありすぎる1冊です。
これでこのシリーズはひとまずおわりになるのかと思います。


石公さんに教えて頂いてなかったら気づきませんでした。
本当にありがとうございました。


そうそう 「色・戒」ですが
原文(発音記号つき)翻訳付きの本があらたに発売されてます。
http://www.long-net.com/shop/china_world/index.html

もうひとつ
「月刊聴く中国語 08年5月号」 には
白先勇氏のインタビューが音声付き(cd)で載ってます。
内容は小説ではなく、昆劇の話ですけどね。

@ゆうこさん コメントをありがとうございます。

精神的に完全に停滞期に入ってしまっていて
(とはいえそんなにデリケートな人間ではないので
そこそこやってます)
レスポンスが悪くて本当に申し訳ありません。

色戒パンフは、見たのが最終回だったせいか
購入できませんでした。キネ旬は、梁朝偉のアップの表紙に
一瞬ためらいましたが、買えました……(笑)。

内容よりも何よりも、あの街をセットでつくった
というのが興味深かったです。

王力宏は後半よりも、前半の最後
やはり、あの香港のお屋敷での殺しのシーンが
良かったと思います。
物語のキーポイントとしても……。

『台北人』を楽しみに待ちましょう。

台北人情報 ありがとうございます。
某所でもこの情報をお待ちの皆様にお知らせさせていただきます。


「ラスト、コーション」
ごらんになられたのですね。 
私はいろいろな意味で緊張を強いられる映画でした。

力宏さんもファンが思っていた以上の活躍(出演)で
そういう意味でも驚きました。

そうそう 映画館の売られてるパンフレット
海野弘さんと池上貞子さんの寄稿もありとても充実していてよいですよ。
あと ジュニアスクリーンの特集号もなかなかです
キネマ旬報もよいです。

それでは。4月を楽しみに。(まあ遅れても気長に待ちます)

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