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2007.10.15

東京シネシティ フェスティバル2007

こんなタイトルばっかり続いてナンですが……。

TIFF提携企画の東京シネシティ フェスティバル2007で上映される2本のフィリピン映画、特にこのジョエル・C・ラマンガン監督(『愛シテ、イマス。1941』の監督)の『シャシャ・ザトゥーナ』(→映画公式サイト)は"レズ&ゲイSFミュージカル"だそうで、何だか楽しそうです。惜しむらくは、せっかくのフィリピン映画、せっかくのラマンガン作品なのに、ジェイ・マナロが出ていないこと。とはいえ、何かと脳味噌が疲れがちなフィルメックス作品の合間にいかがでしょうか。


さて10月の7~8日の2日間、長い間望みながらタイミングを逸していた山形国際ドキュメンタリー映画祭に、初めて出かけた。キャパが小さいためか朝早くから並んでチケットを整理券に換えておかないと入れない会場もある、ということを知らずに、見るつもりで見られなかった作品もあるとはいえ、各会場の間は近く、落ち着いていて良い雰囲気だった。派手さのないところが短所だという意見もあるようだが、個人的にはその方が好きだ。映画の合間に街中を移動していると、メディアで見かけたことのある顔とすれ違ったり(とはいえ向こうがこちらを知っているはずはない)、憧れの映画監督が近くを通ったりするのがとても嬉しかったりもする。ただ、福岡アジア映画祭などと比べると、映画作家や映画関係者の参加率が高いせいか、あちこちで顔見知りが挨拶しあっている様などを見るにつけ、単なる観客、しかも地元住民でもなく仕事でもないのに金をかけて泊りがけで来ている物好きな一般ファンなどは、少々疎外感を覚えたりもする。ひがみ根性?

見られたのは6作品、正確には5作品とちょっとだった。その「ちょっと」が、今回大賞を受賞した『鳳鳴(フォンミン)― 中国の記憶』。監督は『鉄西区』の王兵。この作品もまた3時間という長さである。実はこれはもう、カメラの前で和鳳鳴という女性が波乱の生涯を語るというだけの映画(多分)だが、そのただならぬ雰囲気に圧倒され、最後まで見なかったことが悔やまれた。アパートの部屋に入りカメラ正面の椅子に腰掛け、合格していた大学への進学を諦めて新聞社に就職した十代のころの話から語りだす老女。微動だにしないカメラは、語り部がトイレに行く間も、その不在の画面を映し続けている。このあたりで「ああ、この映画はきっと最後までこのまま行くんだな。我々は、彼女の人生を彼女から直接聴くことになるのだな」と思う。同時に、監督の作品に対する覚悟みたいなものが、びんと頭の芯に突き刺さってくる。映画なのに「絵」はない(正確には、語り手の「絵」がある)。1人の人間の頭の中にある過去の出来事が言葉で語られ、カメラを介して観客に届く。なのに「絵」以上の、和鳳鳴の来し方の物語という以上の、何かを感じさせる。きっとまた見るチャンスもあるだろう。そのときにはまた考えてみたい。いずれにせよ、今度もまた「体験」させる王兵である。

『鳳鳴(フォンミン)― 中国の記憶』を途中までしかみなかったのは、上映時間が重なるが、どうしても見たいと思い見ることに決めていた作品がその後にあったからなのだが、鳳鳴を中断してまで見た作品はやはりインタビュー形式で、しかし鳳鳴の後ではレベルが違いすぎた。上映中に感じたモヤモヤは、上映後の監督Q&Aによって大分すっきりしたものの、「なかな面白いじゃん」の域を出るものではなかった。

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コメント

diabloさん、こんばんわ。来ていただいてありがとうございます~。

そうなんです。アジア映画ファンの大方は、24日は中国映画祭の方に行っちゃってるはずですよね。私は中国映画というと最近は、フィルメックスあたりでかかるようなパワーのある変な映画系統にしかなかなか食指が動かず、チケットはとりませんでした。『スーツケース』は面白そうですし、李心潔や劉若英や林嘉欣や、女優陣は好きな人たちが沢山出るんですけれどもね……。

ということで、夜のイスラエル映画@FILMeXしか見るつもりのない24日は、フィリピン映画に行こうと今のところは決めています。

山形は、酒も食べ物も美味しいところなのでそれだけでも出かけて損はない気がします。ぜひ踏ん張ってみてください。近頃の自分には、劇映画よりもドキュメンタリーの方がすんなり入っくるものが多いです。でも、開催は隔年なので次は再来年(2009年)のはずですのでしばしおあづけですね。

>『愛シテ、イマス。1941』の監督
>"レズ&ゲイSFミュージカル"

己のツボを押され捲くり状態の大反応で速攻サイトに飛びました!
ああ~何て事でしょうか!11/24は、中国映画祭2007で3本も
チケ購入しており、予定ガチガチ。(涙)
どうする?どうする?何捨てる?それとも諦めるのか?と、
激しく動揺中で『遠い道のり』の事など、完全にぶっ飛んでる、私。(自爆)

山形国際ドキュメンタリー映画祭は、私も永年気になっていて
縁が無いのですが、石公さんの報告を読んでいたらいっちょ来年
は踏ん張ってみるかって気になりました。

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