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2007.02.25

2月の近況

ごぶさたしております。

先月予約した『アレキサンダー』のロングバージョンDVD("Alexander Revisited The Final Cut")は、2月27日発売なのだけれど、どうも発送が3月半ばから下旬にかかるらしく、一緒に頼んだ《Infamous》の方は世間ではとっくに発売されているにもかかわらず、(同送依頼しているので)すっかり「お預け」をくらっている状況だ。サントラまで買って待っているのに……(エンターテイナーを夢見ていたペリー・スミスなので、当然サントラ中でも歌っているわけだ、アノ人は……(笑))。

で、もう仕方なく、カポーティには余り興味もないのに、《Infamous》のベースであるジョージ・プリンストンの聞き書き『トルーマン・カポーティ』(新潮文庫/上下巻)も準備した。

公式トレイラーと、残念ながら最優秀助演男優賞には選ばれなかったが、Independent Spirit Awards の公式サイトで見られる助演男優賞のノミネート映像(映画のワンシーン(←凄い!))ぐらいしか、DVDの来ない現在、映画に触れる術はない(※24日発表の同賞の結果)。あちこちのレビューを読む限りでは、「静謐で品の良い『カポーティ』、けれん味たっぷりな《Infamous》」というところのようだ。実際、トビー・ジョーンズ(カポーティ)もクレイグもオーバーアクトといった評すらあった。作品については、あとは好みの問題なのだろうが、『カポーティ』と「双子のようだ」と言われる内容で、ベネチア国際映画祭での上映などはあったにせよ、アカデミー賞のようなメジャーな賞での受賞もなく、娯楽志向でもないとなれば、日本公開の声が今聞こえてこないのは、今後の日本公開があるのかどうか、とても心配だったりする。

困ったことに、3月16日に発売される『カポーティ』のDVDには2種類あり、そのうち1つが『冷血』(1967年)とのカップリング発売(「カポーティ&冷血 マスターピース・コレクション」)。いや、わざわざそんなものを買わなくても、昨年『冷血』のDVDは、単独で発売されている。劇場で見損ねていたなら買ったかもしれないが、別にホフマンの『カポーティ』を、DVDで持っていたいほど好きなわけではない。トルーマン・カポーティにも興味はない。でも、気になる(笑)。余りにも情熱的にクラター事件を語るさまが、まるで恋人のことを話しているようだとからかわれたカポーティ同様に、この物語に魅入られてしまったのか。


現在、大変面白く読んでいるのは、朝日選書『ハリウッド100年のアラブ』(村上由見子著)。ハリウッド映画の歴史の中で、アラブがどう描かれ、いかように「アラビア的なるもの」としてつくり上げられていったかという本で、ポストコロニアル批評的仕立てでありながら、非常にやわらかく読みやすい「映画本」になっている(←面白いのでお勧めだが、文章にもうひとつ品がないのが気に食わない)。この中で紹介され、見る気満々になってしまった映画がある。それは、ムスタファ・アッカド監督の『ザ・メッセージ』。イスラム教の開祖マホメッドを主役として描きながら、ご存知のごとく偶像崇拝ご法度のイスラム教であるため、マホメッドは映像としても音声としても登場せず、その存在をカメラワークだけで感じさせてしまうという、すごい作品だ。記憶違いかもしれないが、マホメッドを描いた映画というのは、これ1本だけだという表記もどこかで見た気がする。だとしたら、よけいに見てみたい。

YouTubeは、日本ではマイナーだが別のエリアではそれなりに知名度や人気のあるアーティストやスターの映像を見るのには最適なサイトだ。孝全くんだって、フィリピンのジェイ・マナロだって、アビチャッポン・ウィーラセタクル作品だって(全部じゃないけれども)見られたりする。有難い時代になったものだ。そんな中で、強烈なインパクトを受けたものが、たまたま『ドクター・フー』の映像を見ようとして出てきた、ジョン・バロウマンの歌う"I Am What I Am"の映像。"I Am What I Am"は、ブロードウェイ・ミュージカル版の『ラ・カージュ・オ・フォール』の中の曲で、バロウマンの全身全霊をこめた歌唱が胸を打つ。凄い歌い手には、聞く側が全く知らない歌であっても最後まで飽きずに聴かせ、聴き惚れさせる力があるといつも思うが、"I Am What I Am"はまさにそんな風だった。さらに、このタイトルを見れば知っている人ならぴんと来ると思うが、"I am what I am"は、張國榮(レスリー・チャン)のラスト・ステージのテーマ曲とも言うべき「我」の出だしの歌詞なのである。タイトルを見たときに気にはなったが、バロウマンの歌を聴いて、レスリーの「我」が、この"I Am What I Am"に曲想を得て創作されたものなのだなとわかった(ファンの間では常識なのかもしれないが……)。華麗なるバラードである「我」は、楽曲としては決して好きではない。だがあの歌詞と歌唱には、「好きな曲ではない」などと捨て置けない、しなやかで強い意志がある。バロウマンの"I Am What I Am"にも、同じものが流れている。

ベルリン国際映画祭は、金熊賞の中国映画(王全安監督《図雅的婚事》)、アルフレッド・バウアー賞のパク・チャヌク監督《I'm A Cyborg, But That's Ok》、そして《艶光四射歌舞団》を撮った周美玲(ゼロ・チョウ)監督の台湾映画《刺青》のテディ賞と、東アジア圏ではにぎやかな受賞結果となった。ほかに気になる作品も数々あり、その中の1本が、中国版メルキアデス・エストラーダ…とでも言うような張楊(チャン・ヤン)監督のコメディ《落葉帰根》である(一応、パノラマ部門のエキュメニカル審査員賞を受賞)。撮影は余力為と黎耀輝。主演の趙本山は言わずもがな、脇役陣も豪華だ。友人の遺体を故郷に運ぶ男の話で喜劇とのことだが、自分のわがままな希望としては、最終的に「心あたたまる話」「泣かせる話」に落とすことなく、辛め(からめ)に終わっているなら、ぜひ見たいと思う。

そういえば、同じベルリンで上映されたイスラエルのエイタン・フォックス監督の新作《The Bubble》は、テルアビブのアパートに同居するイスラエル人の若者たち(男2人女1人)のうちの1人が、検問所で出会ったパレスチナ人の若者に恋をし、4人で暮らすようになるといった内容で、パレスチナの問題に全く無関心に暮らしてきたイスラエルの若者たちの生き方が、パレスチナ人の若者に出会ったことで変わっていく話だという。


だらだらと書いてきましたが、ほかにもネタは抱えています。スペイン語圏にも興味が広がってきました(←もう、わけがわかりません(笑))。でも、時間的な余裕を失って何も書けずにいるうちに、余裕ができても何も書けなくなるという繰り返しです。情報系のネタはまだ良いんですが、本や映画の感想などになると、ひとたび自分に対する不信が顕在化すると、何かきっかけがない限り、なかなか簡単に書けるものではありませんね。日々書かれている方、頭が下がります。まあ、ぼちぼち行きます。

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