« 地下鉄がくる | トップページ | 盛夏光年予告 »

2006.07.03

変則黒社会物2態

朝日新聞の読書欄の中条省平の書評と、読売新聞の読書欄の町田康の書評が好き。日曜はそれが楽しみだ。そんなことを言っておいて違う人の書評なのだが、きょうの朝日新聞の読書欄に出ていた『江戸八百八町に骨が舞う』は買いたくなったなぁ。書評子の言うとおり「タイトルだけで買い」というのは全くそのとおり。時代小説ではなくて、これは本のサブタイトルにもあるがごとく、「人骨から解く病気と社会」というジャンルの本。でも、このタイトルを見ると、頭に舟木和夫の銭形平次の主題歌が鳴り響く(笑)。舞うのは銭じゃなくて、骨なのに……。

で、やっと『バックラッシュ!』も買えた。字がぎっしりで読みでが……。

眠い中、がんばってユーロスペースまで『真昼ノ星空』と『レイヤー・ケーキ』を見に出かけた。

王力宏には全く興味がないのだけれど、『真昼ノ星空』を見にいったわけは……。

元はと言えば、台湾の張孝全ファンサイトで、彼が兵役に出るよりずっと前から「中川陽介監督の「真昼ノ星空」に出る」という噂があり、この映画に関して情報を求めて、中川監督の過去の作品なども調べて待っていたからというのが最も大きい。でもキャストに関しては、途中から「王力宏と鈴木京香が出演」というニュースが流れ始め、とてもがっかりしたものだった

中川監督の作品は、監督の名前を知ったときには『Departure』の公開も終了していたし、『青い魚』も見ていない。張孝全くんの出演に関することが知りたくていろいろ調べていたはずが、監督は東京生まれでありながら、過去の作品ではいつも沖縄を舞台としていて、映画では「沖縄の裏路地の風景にこだわっている」ということを知ってから、がぜん映画自体に興味がわき、そりゃあ「もしかしたら、チョイ役で孝全くんが出るかもしれない」などという下心もあったものの、映画(というか中川監督の作品)を見るのを楽しみにしていたのである。

『真昼ノ星空』は、ドラマチックでもないし、かといってリアルな日常の空気を映し出したものでもない。日常と隣り合わせのファンタジーといったような映画だ。「ファンタジー」面をバックアップするのは、王力宏の下手さと不思議なさわやかさ。台湾黒社会の殺し屋が「仕事」の後に、しばらく潜伏期間を置くために隠れにやってきた沖縄での日々、というリアリティのかけらもない設定で、それに輪をかけて、殺し屋のリアリティなどみじんも感じさせない王力宏である。そこを引き締めて、地に足のついた人間の日常を見せてくれたのが、弁当屋と工事現場で働く(まるで、『いつか読書する日』の田中裕子のような)鈴木京香である。

実は、『真昼ノ星空』、すごく良かった。見終えたら、沖縄に行ってきたような気になったのだが、景色や美術を美しく撮ってはいても、風景ばかりが主張していない、必ず自然や街路が人と共にあるようなバランス感覚が、日本人監督っぽいなあと、街や自然を美しく見せる監督は多いけれども、そう思ったのである。

香椎由宇ちゃんの仏頂面にも見惚れた。

『レイヤー・ケーキ』は、めずらしい英黒社会物のエンタテイメント。登場人物が多くて、やや把握が大変だけれど、何も考えずに楽しんでいい、ひねりの効いた映画。あれだけ男(おっさん)が出てくると、香港映画あたりなら、みんな(どんなヘチャムクレなおやじといえども)それなりに濃くて色っぽかったりするのだが、この映画はかなりさっぱり目。『ダブリン上等!』の暴力刑事も出ている。

眠いので、寝ます。

『真昼ノ星空』は、もうちょっとちゃんと書けたら書きたいと思う。(←つか、きょうの書きなおせよ)

« 地下鉄がくる | トップページ | 盛夏光年予告 »

コメント

@ゆうこさん。

>待つのは慣れているし

アン・リーの次の作品の完成も「待つ」ことになるのですね……。

>レスリーのは無理なので

そして「待てる」というのは、幸せなことでもあるわけで……。

そうですね。 色々とトラブルがあったようで、
一時期公開が危ぶまれたりとか。

待つのは慣れているし、数少ない出演映画が
全部日本公開されているのは(レスリーのは無理なので)感謝しなければとおもいます。

@ゆうこさん、「真昼ノ星空」、良い作品になってよかったですね~。

何せ、この映画を日々ウェヴ検索していたころには、この映画に関してひっかかる関連ページが確か3件ほどだったのですよ。

それを思うと、嘘のよう。

ニエズ翻訳本 読了の@ゆうこです。
久しぶりです。

「真昼ノ星空」
観て頂いてありがとうございます。
力宏ファンのくせに映画祭で観たことを理由に
まだ行ってないのです。

中川監督の話によると一応 京香さんのユキコは
ほかの作品にもでてくるとか??。
他の監督作品も興味あります。

ちなみ 王力宏 は 基本的に日本語ネイティブではないのでセリフ丸暗記したそうです。
ファン的には演技力よりも萌えポイントが
多いので楽しいのですが(苦笑)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9120/10767885

この記事へのトラックバック一覧です: 変則黒社会物2態:

« 地下鉄がくる | トップページ | 盛夏光年予告 »