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2005.08.31

断背山続々

8月31日(もう今日)から始まるベネチア国際映画祭では9月2日に、9月8日から始まるトロント国際映画祭では10日と12日に上映される、"断背山"こと《Brokeback Mountain》。

米国での年末の公開に向けて、もう今にも公式サイトが立ち上がりそうで、予告動画だのをずっと楽しみに待っていたのだが、ありがたいことに(おそらく関心のある方なら皆さんご存知の)"Pero's favorites"さんのブログの30日付のエントリに、予告動画のリンクが紹介されている。

予告編は何だか、『楽園をください』終盤の空気を思い起こさせた。

原作は58ページの短編小説だという(amazomのレビュー情報による)。作者アニー・プルーの小説で最も有名なものは、既に同名タイトルで映画化もされている『シッピング・ニュース』で、1994年に全米図書賞とピューリッツアー賞を受賞している作品だ。小説はハードカバー出版時点では『港湾ニュース』という美しく慎ましやかなタイトルだった。おそらく映画化後文庫になってから、邦題を映画に合わせて変えたのではないか。映画のタイトルとしてはカタカナの方が良いかもしれないが、小説だったら断然『港湾ニュース』の方に香気を感じるのだが。

ほかにも『オールド・エース』と『アコーディオンの罪 ACCORDION CRIMES』という作品が集英社から邦訳出版されており、"Brokeback Mountain"も日本語版が待たれるところだ。

邦訳の出ている2作については、"すみ&にえ「ほんやく本のススメ」"さんという非常に個性的&面白いサイトで、作品について対談しているページがある→『シッピング・ニュース』、『オールド・エース』。

この、すみさんとにえさんという2人の方が作られているサイトの『オールド・エース』についての対談中の、作家アニー・プルーを評した言葉をそっくり引用させていただく。
 
――アニー・プルーって、その土地に移り住み、そこで暮らすことによって少しずつ学び、その土地を少しずつ愛し、その土地の人間に少しずつなっていく、そういう経験を小説のなかでさせてくれる作家さんだよね。「シッピング・ニュース」でもそうだけど、この小説ではもっともっとそうだった――(by にえさん)

――だから、小さな町でのちょっとした出来事も、自分がその場にいるみたいにドキドキしたり、主人公が他の登場人物に言われた何気ないセリフに、ズキッときてしまったりするんだろうね。「シッピング・ニュース」も何度も読み返したい小説だなと思ったけど、これもそうだな。何度も何度も読み返して、パンハンドルに暮らしていたい――(by すみさん)

また、にえさんが別に「ストーリーに起伏がある作品ではない」とも話しているが、作家と作品に対する上の引用のような寸評と、トレイラーの映像とを合わせると、既に作品のトーンというものが想像できてくる。

『シッピング・ニュース』は映画の方も見ていないのだが、《断背山》がまだ日本では出版されていない以上、まずは小説を読んでみるかという気に、じわ~っとなってきている。さて、秋はしみじみと、E・アニー・プルーから始めるとするか……。

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