« なぜか名古屋でシネマコリア | トップページ | 男の子の名前はみんなアレックスっていうの »

2005.08.07

足本導演版(っていうのか?)

部屋にエアコンがないため、毎晩PCの前で死んでいる。暑いと寝苦しいなんてことはまったくなく、暑いとぼーっとして、ひたすら眠い。そしてそのまま蒲団にたどり着けずに眠る。

現在発売中のキネマ旬報の巻頭特集はアジアン・スター。表紙は何とジェイ・チョウだ(が、綺麗な割りに非常に格好悪い写真だと感じる)。でも今号で印象に残ったのは、戦後60年企画の映画監督や批評家の文章だった。新藤兼人監督があたためている広島の映画、ぜひ撮ってほしいと思う……。

今日(きのう)は大王ディレクターズ・カットがAmazon.comから届く。ざっと1回見た感想は、ブラウンソース入りの紅茶を飲んだレイフ@ダブリン上等!の台詞。売らんかなで作られたなどという噂もあったので、あまり期待していなかったからかもしれないが、「悪くねぇ」。

何せ、そんなに分量が多いわけではないが、メイキングでも削除シーンでもなく、監督が再び作品として世に出した映像として、今までに見ていないシーンが見られるんである。うーん、日本でも出してくれ。

フィリッポスが少年アレキサンダーに神々のことを語る洞窟シーンを最後に子役がコリン・ファレルに交代して以降、フィリッポスが暗殺されるまでの場面は、すべて回想シーンとして物語の途中に置かれている。つまり、洞窟シーンのあと、老プトレマイオスのアレキサンドリア図書館シーンが入って、すぐにガウガメラの戦場だ。初めて見る人には少しわかりにくくなった面もあるかもしれないが、回想シーンが増えたことで、クレイトス刺殺事件のあと、それまで時系列に進んできた物語の中にいきなり現れるフィリッポス暗殺事件のフラッシュバックの唐突感は打ち消されているし、逆に、3時間の長丁場をほとんど時間に沿って進行していた物語の冗長さが、少しコンパクトな印象に変わったかもしれない。

アリストテレスの講義の場面は、節度と徳のある男性間の愛を肯定され少年アレキサンダーがにっこり……の後に今までになかったアレキサンダーとアリストテレスのやりとりがある。ファンが大好きなガウガメラ前夜の場面と、クレイトス事件の後の王の閉じこもりシーンはそっくりカットされたが、それ以外はバビロンのラブシーンも(首を傾ける癖がある云々の台詞のやりとりを除いて)きっちり残っているし、婚礼の夜の指輪のシーンもそのままだ(死のシーンで指輪がメインに映る以上、あれを削除するわけにはいかないだろうが)。

少年アレキサンダーとフィリッポスの洞窟シーンの後にあった19歳のアレキサンダーとオリンピアスの場面は、ロクサネとの初夜(←これもかなりカットされ、未見の映像がほんの少し加えられた)とフィロタス事件の間に回想として挿入された。しかもシーンの後半には今までになかった部分が追加されている。

ああ、インドからの帰還の前に神様の像を建立して皆で祈祷する場面もチラっと増えていたし、ゲドロシア砂漠の帰還シーンもほんの少し、見たことのない映像が加わっていた。

テレビ視聴用に画面サイズを変えているので、異常にクリアで、今までに見えなかったものが細々と見えたり、人の顔が細部まで見えるのが興味深い。他にもまだいろいろ違う部分があると思うけれど、とりあえずこの辺で。もう1回見てきます。

« なぜか名古屋でシネマコリア | トップページ | 男の子の名前はみんなアレックスっていうの »

コメント

ひでさん、お暑うございます。

>アンソニー・ホプキンスファン向けのナレーション一杯のやつとか・・・

これ、見ても嬉しくなさそうですが、妙に面白いですね(笑)。

そうそう、私が最も見てみたかったメイキング映像は、そんなものが存在するかしないかはあずかり知らぬところですが、名優アンソニー・ホプキンスの撮影現場と、それを「見学」に来ていたという若手俳優たち(メインで出ていたメンバーの何人かかと思いますが)の姿……でした。

アンソニー・ホプキンスの現場だけなら、日本版の特典DVDの中にも入っていますが。

石公様、こんばんは。

なるほど、たんなる劇場上映版を短くしただけというものではないのですね。まだまだ使っていない映像はたくさんありそうなので、冗談抜きに何通りも作れそうな気がします。ミリタリーマニア向けに合戦シーンが随分多いやつとか、アンソニー・ホプキンスファン向けのナレーション一杯のやつとか・・・。そのうち何年後かに「最終版」なんてのものも出るかもしれませんよ。

shitoさん、こんばんわ。暑い中、コメントをありがとうございます! 赤ん坊のように首に汗疹をつくってみたりして、夏を満喫しています(←やぶれかぶれとも言う)。

さて、亞歴山大帝足本導演版ですが、そりゃ当初は4時間分あったんですから、まだまだ出せる映像はあるはずですよね。ケチらないでもっと見せてくれと、もう、ほとんど王家衛作品のDVD特典か何かに望むものと同じような気持ちになりつつある……(笑)。

コメンタリーも、本来の劇場版用のロビン・レイン・フォックス&オリバー・ストーンのものと、ディレクターズカット用のオリバー・ストーン単独のものと2種類あるのですが、何せ字幕がないので理解できるのは2割以下です。返す返すも、ソースがあるのに収録しなかった日本版のおざなりが無念。

もうこうなったら、どこの国から発売してもいいので、監督は作品を永遠にいじりたおしてほしいですね。少しずつ少しずつ、未公開映像も見せていただいて。聖家族教会@バルセロナのように、100年経っても完成しないという……(笑)。そしてファンは一生振り回される、と。素敵!(←やはり暑さで頭がおかしいらしい)

そういえば『ターネーション』は、暗く重そうな内容で単館公開なのに、あちこちの雑誌で紹介記事をよく目にしますね。今日は朝日新聞の夕刊にも記事がありました。『この世の果ての家』のようだというのは、もしかしたら鏡の前のエピソードでしょうか? この作品は私には重すぎて消化しきれないジャンルかとも思うのですが、映画についての報道を読むたびに興味が湧いてきています。

石公さん、こんにちわ。クーラーなし部屋&暑いとモーレツに眠い、私も同じです!象に突進した大王のように逆ギレしそうな日々であります・・・。
ところで、コチラの記事拝読したら、ディレクター・カットもモーレツに観たい気になってしまいした。何より「メイキングでも削除シーンでもなく、監督が再び作品として世に出した映像として、今までに見ていないシーンが見られるんである」というのが魅力的ではありませんか!
うーん、日本でも出して欲しいものですが・・・(果てしなく無理っぽいですね、現状では)。

全然大王とは関係ないのですが
『ターネーション』http://www.herald.co.jp/official/tarnation/index.shtml
というドキュメンタリー映画の作者・ジョナサンが、今週のテレビブロス誌のインタの、ラストで答えていたことが『この世の果ての家』めいていて、とても切なくなりました^^;;

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/9120/5343292

この記事へのトラックバック一覧です: 足本導演版(っていうのか?):

« なぜか名古屋でシネマコリア | トップページ | 男の子の名前はみんなアレックスっていうの »