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2005.04.11

日記だな、しかもきのうの

土曜日は『バッドエデュケーション』を見に出かけたものの、時間ギリギリだったため満席で入れず、その足で上野に向かい大王を見る(←ほかの映画も見ろよ)。大王はキャパの小さな館ながらなかなかの客の入りで、最前列にも先客が2組もありびっくり。

その後、ニセ妹嬢と久々に会う。同病者なのでなから強制的に、あるいは息子自慢な母のように、DVD『フォーン・ブース』を見せる。

この映画なども、小品ながら、もし映画館で見ていたらもっと緊迫感があって面白かっただろうと思う。ビデオ鑑賞は、そりゃ「見ない」よりはいい。でもやはり映画は映画館で見なければ、その真価を味わい尽くすことはできないだろう。『アレキサンダー』などは特にそうだ。ガウガメラの戦いで右翼の先端を走っていたアレクサンドロスが「レフトターン」したときの俯瞰映像など、いつもアレクサンドロスを追って頭がスクリーン右下方向を向く。まるで、スタジアムでサッカーを見ているときのように、巨大なスクリーンの中の1点を目で追うのだ。それはもう平らな銀幕の中で起きているできごとではなく、3次元のできごとを目撃するに近い感覚だ。

昨日の日曜は、韓流シネマフェスティバルの前売り購入済み2作品を見るつもりが、DVDで『アメリカン・アウトロー』などを見始めてしまい、大した話ではないのだが軽妙で楽しい台詞のやりとりと激可愛いヒーローの魅力の深みにはまり、韓国映画1作品目に間に合わず。2作品目だけ見ようと意を決して出かけたものの、今度は新宿で5分だけ時間に余裕があったのをいいことに本屋に寄ってしまい、国内雑誌の某CFのグラビア記事と某JLのインタビュー記事を見ているうちに上映時間をオーバー。

あきらめてテアトルタイムズスクエアに向かい、ついに『バッド・エデュケーション』見る。

日本でのチラシの赤とピンクのバラのイメージのせいか、めくるめくような極彩色のどぎつい画面を期待していたが、内容の濃さに反して薄暗い画面、そして監督の語るとおり、非常にパーソナルなストーリー。タイトルはきっと"悪い教育"の方が、ヨーロッパ映画らしいし、作品本来の世界にふさわしいだろう(だが、"悪い教育"ではセンスが古すぎる)。私小説的なスケールの小ささと湿り気と、イグナシオのアパートの入り口のモザイクのような暗いきらめきに彩られた、猛烈に好みなつくりの作品だ。どこかの雑誌で批評家が、劇中で登場人物たちが見にいく映画にひっかけて、(この作品もまた)フィルム・ノワールだと書いていたが、そのとおりだと思う。

ガエル・ガルシア・ベルナルは、夢(それも悪夢)に見そうなぐらい強烈な引力で観客をひっぱる。全く異なる表情を見せる3つのベッドシーンは、どれも見応え十分だ。

愛と感動の美しい映画だと勘違いして皆が見にいくといい。きっと、エンタテイメントではない映画の奥深い魅力を知る人が、その中から出てくるだろう。

大王に続いて、今年はこんな作品が公開されちまって、自分はこのままどうにかなってしまいそうだと危ぶむばかりだ。それにしても、『アレキサンダー』や《A Home at the End of the World》ごときでキャリアを危ぶまれてしまうコリン・ファレルのいるハリウッドとは……と、全く別の部分でためいきが出た。もちろん、『バッド・エデュケーション』だって制作も監督も役者も、自らを賭して作っているに違いないのだが。

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コメント

亮香さん、こんばんわ。

「バッド・エデュケーション」、2人の美形俳優の共演(競演というべきか)ということでも話題になっていますが、意外や、最終的に心に残った映像は老醜のベレングエル氏の姿だったりする私です。で、見事に映像で説明されつくされている作品なので必要ないのですが、「アルモドバル作」ということで気になって、ノベライズを読みました。

映画中、「どうして悲劇的な結末にしたのか」とアンヘルやベレングエルがそれぞれエンリケに尋ねていましたが、その本来のイグナシオの「悲劇的でない」小説の結末が載っていたのは面白かったですね。あとは、自分が見ていて字幕で意味のわかりにくかったアンヘルの終盤の台詞、「こんなのは序の口だ」(だったか?)の内容ですね。ノベライズでは違う言葉で訳されていました。

実際この作品は、映画を見さえすれば、ノベライズを読む必要は全くない見事なものです。ただ、そんな微細に興味深いポイントはありました、ということで(笑)。

ガエル・ガルシア・ベルナルの出演作で、年食った(←俺だよ)女性にお勧めなのは「ブエノスアイレスの夜」だと思っています。幸せになれます。しかし、ラストは辛い。そして面白い。ある意味、某国際映画祭グランプリ韓国映画パターンであるにもかかわらず、男と女ではこんなに違うのかと。まあ、グスタボは辛かろう。

石公様、同日、同劇場にいらしたとは・・。ネット上でお目もじしているだけの方がもしかして隣の席にいらしたかと思うと不思議な感じです。もし一人で文庫本片手にチラシをあさっている者を見かけられたら私かもしれません(笑)。ちなみに16日の文庫本はやっと手に入れた白先勇の『最後の貴族』でした。(こちらについては又『ニエズ』サイトで。)それと私もこの『バッドエデュケーション』、もう一度観たいと思ってます。3役(キャラ的には4役?)を見事に演じ分けているガエルですが、16日に観た時は‘ダークでディープなサスペンス、悪魔マーク付き’(と未だ観ぬ友に送ったメール)に入り込んでましたから、今一度其々のキャラクターをじっくり楽し‘観’たいと思っています。ガエルは石公さんのお好きな『アモーレス~』でも愛すべき弟キャラで(悪魔マークは付きませんが)でスピード感溢れる映像と相なって好きな作品です。では‘大王’再来の情報もお待ちしています。又その折は是非御一緒させてください、眠らない保障はありませんが(笑)。

亮香さん、お久しぶりです!

私も16日は、「バッド・エデュケーション」再見のために銀座におりましたよ(笑)。さすがにこの作品は重いので、これ以上映画館に出かけることはないと思いますが、16日の私が見た回は、観客がこなれていて、笑い声もよくあがりリラックスした良い雰囲気でした。おかげでその翌日、翌々日と「キサス・キサス・キサス」が頭の中を回り続けました。

そうですか、大王に逃げられてしまいましたか。それは残念です。もしまた関東圏のどこかで上映する館がありましたら、情報をひろって載せていきたいと思いますので、ぜひ見てやってください(ご一緒にいかがですか?(笑))。あとは極力でかい画面のTVを装備し、DVDでお願いします、できればレンタルではなくセルで。いや決して損はさせません(笑)。

ガエル・ガルシア・ベルナルの出演作でどれが良いかと問われたら、作品的には文句なく「アモーレス・ペロス」が好みなのですが、「どのガエルが好き?」と言われたら、うーーん、わかりません。これはガエル・ガルシア・ベルナルに限りませんが、気に入っている役者さんの場合、なるべく本人(のイメージ)から遠い役柄を演じるのを見るのが楽しみですね。2枚目や美女の場合は、特にそうです。もちろん、全部が全部絶対にそうというわけではありませんが。

「欲望の法則」は未見なんです(アルモドバルの古い作品は1作しか見ていません)。ファンを演じたミゲル・モリーナを検索してみたら、月桂冠に白い薄布をまとわせてみたいような美貌でした(→全ての妄想がギリシャに至ってます(笑))。

お久しぶりです。『バッドエデュケーション』16日銀座で観たのですが、折角なので上野の‘大王’も拝見と思ったところ前日で‘ご帰還‘されたもよう、石公さんの熱い大王orファレルレポートにこれは是非シアターで観たいと思っておりましたのに残念です。さて「バッド~」です。ファレルだけでなくガレル讃もされてますよね。石公さんはどのガレルに一番惹かれますか?なんて愚問でしょうか?私はアンヘルことファンです。天使のような無垢な瞳(に潜んでいる代物にご注意!)に夢中になるのは男ばかりではありませんよね。そういえば同監督の「欲望の法則」の映画監督の恋人の名もファンだったような。やはり目の綺麗な少年でした。

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