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2005.02.28

Out of Control

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、『人魚姫』がグランプリだそうだ。昨年のグランプリ作品『木浦は港だ』も、1年以上過ぎて、ようやく韓流シネマ・フェスティバルで4月に見ることができる。『人魚姫』は大好きなチョン・ドヨンと、あのパク・ヘイルの共演作。いつか見られる日が来るのが楽しみだ。

さて今日は、ニセ妹とキム・ギヨン監督の映画を見にいこうと以前から決めていたにもかかわらず、不心得にも前売りも買わずにのこのこ出かけていったら、ちょうど合う時間帯の上映は既に満員で、当日券なし。「ユリイカ」の韓国映画特集を読んで以来ずっと見たかった監督の作品だけにショックではあるが、実は2003年にも見るチャンスがあったのを見逃している。伝説の鬼才監督のことだ。きっとまた作品が上映されることがあるだろう、と自分に言い聞かせ、『ダブリン上等!』2回目に走る(→やっぱり)。

土曜深夜に、同じくニセ妹と『アレキサンダー』を見、合間には自宅で先週届いた《a Home at the End of the World》DVDを見たため、はからずも今週はコリン・ファレル祭りとなる。この《a Home at the End of the World》、映画としては今1つ盛り上がりと緊張感に欠ける感があるが、子ども時代から青年期までの年月の登場人物たちの心理を静かに追った小作りな映画で、インディーズ特有のひなびてしみじみとした味わいはある。ローティーンのころから親友以上のつながりの中で育った少年たちが、一度は離れ、成人してから再び、今度はもう1人女性をまじえて3人で生きはじめるという、家庭と家族の新しいあり方を探った話だ。原作本(『この世の果ての家』)を持ってはいたが未読のままだったため、今やっと追いかけるように読み始めたところで、英語字幕の映画がどの程度理解できているのか全く自信はないが、ここでコリン・ファレルが見せる主人公ボビーの、少年の表情を残す非常にセンシティブな演技には瞠目する。ゴシップなどから推察されるファレル本人の人となりを想像すると、このボビー役は、そのキャラクターのあまりの違いに大爆笑したいぐらいなものだが、決して笑いなど出ようもない文句なしのリアリティで、ホビーの存在を観客に信じさせる。ファレルは、この作品を気に入っていないというような記事しか見当たらないのが残念だが、彼の役者としての才能を見せ付けられる役柄だ。実はこのボビー、全ったく違うのだけれど、なぜか呉敏少年を思い出させるところがあるのだ。呉敏みたいな"乙女"じゃないんだけれどね。監督はマイケル・メイヤー(長編作品としては初監督……だったっけ?)。映画の脚本を、ゴージャスなことに原作者のマイケル・カニンガムが書いている。今年日本でも公開予定。

大王中毒状態のまま、主人公の成長とともに時代を映すロック音楽の懐かしさと、うつむき加減(!)のボビーに引きずられると、そりゃあどうしようもなくせつないのだが、その内向性ハイテンションを中和してくれるのが、『ダブリン上等!』のレイフだった。すっきり、である。二日酔いの日の漢方系胃腸薬のように。いやあ、上等、上等。それにつけてもアジアの遠さよ。

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