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2004.10.29

あと少し

東京国際映画祭も終盤である。『胡蝶』は、なんと日本公開が決定したんだそうだ。素晴らしい!

水曜夜に見た『独り、待っている』はごく普通のラブ・ストーリーで、まあ何だか台湾のアイドルドラマを見ているような軽さなのだが、台湾ドラマとの違いは街(北京)の風景と、男子がかわいこちゃんではないところだろう。だが、かわいこちゃんでない主演男優には不思議な魅力があった。その夏雨(シア・ユイ)は、観客にいろいろ他の人の面影を思い起こさせているようだが、自分には金勤と王志文とパク・ノシク(『殺人の追憶』の最初の容疑者役)を足して3で割ったように見えた。全体のシルエットは金勤くんなのだが、表情がパク・ノシクで、時折王志文の雰囲気を漂わせていると……そんな気がした。

夏雨も、ゲストで来てくれた女優(コン・ペイピー)と別の役の男優も、中央戯劇学院出身だそうで、そりゃ何をやらせても合格点のはずである。最初はどうなることかと思ったが、どんどん引き込んでくれて、最終的には大変気持ち良いエンディングとなった。

最も印象深かったのが、夏雨演じる主人公が失恋をして仲間(親友)の女の子の胸に顔をうずめて泣くシーン。いやあ、中国映画で若者とはいえ成人男性が女性の胸で泣くシーンを見るとは。いよいよ、大陸映画も夜明けかと、良い意味で新鮮に思えたシーンだった。うーん、まだいろいろと面白かった点があるが、これはここまで。

いや、映画に対する印象って、「映画祭レート」ってのがある気がするのだ。何本も連続して見ているから、頭が高揚していて、どんな映画でも「おもしろい」と思えてしまう状態。公開されてから、冷静になって見に行くと、映画祭で見たときほど面白くなかったりしてね。

そんな映画祭ハイ状態なので、書いていることがどこまでアテになるかは怪しいものである。

だからかどうかは知らないが、本日見てきたマレーシア映画『美しい洗濯機』もとても面白かった。いや~、マテリアルが何だかとっても可愛いのである。だいたい、洗濯機が主役である。ケチャップもかなり主役だろう(笑)。ちなみに監督は上背のある兄貴だった(←関係ないよ)。

監督は、2年ほど前の仕事の少ないころに、働く奥さんの代わりに自宅で育児と家事を受け持っていたときに使い方を覚えたレンジなどの家電製品の中で、最も面白いと思ったのが洗濯機だったのだそうだ。その洗濯機のことを作品にしたいと考えた、とにかくまず洗濯機ありきの話がこの映画なのだ、と。さらにティーチインでは、音楽のことを聞かれ、作品中で音楽を使用したのは2場面のみ、あとは全て洗濯機の音を使ったと答えていた。確かに、唯一かなり激しめのベッドシーンも、洗濯機、確かに脱水していたぞ(音のみ)。そんなふうに、実際の洗濯機の登場する場面が多いわけではないのに、いつも遠くでガーッとモーターの音がしていた。う~ん、もう1回見たいなあ。

え、『夢遊ハワイ』? 特に終盤の太った男子の登場場面は好きだし、映画自体もなかなか気に入っていたのだけれど、でも、監督の話を聞いたらクエスチョンマークが頭にぽっかり浮かんで、あまり好きじゃなくなった気がする。ティーチインのない回に見ていたら、好印象で終わっただろうに、残念。ちなみに楊祐寧は席が遠くてよく見えなかったが、想像していたよりもずっと落ち着いた大人な雰囲気だったと思う。

が、『美しい洗濯機』の入場前に、ふと横を見ると、生ヤン・ドングン!!! もちろん俳優としての仕事だからだろうが、意外や意外、ヒップホップ・シンガー風でもなく、映画の役柄のようなワイルドな感じでもなく、俳優らしい柔らかな空気が漂っていたぞ、彼のまわりには。思わず『風のファイター』の会場側に吸い寄せられそうな自分であった。(でも見た人の感想では、圧倒的に『美しい洗濯機』に軍配が上がってるね)


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コメント

Saturnianさん、いつもありがとうございます。

『美しい洗濯機』の洗濯機は全自動です。で、私がここでいいかげんに書き飛ばして書き忘れていますが、実は洗濯機は人間の女性です。主人公の男が新しい洗濯機を買うと、炊事場に置いたその洗濯機からいつのまにか「洗濯機の精」とでもいうべき女性が現れ、無言で家事をし続けるという……。彼女は洗濯機の精なので一切しゃべりません。黙々と働いてくれる、「持ち主」にとって、ある意味都合の良い存在です。さらには性欲処理まで引き受けてくれるという、伝統的な「妻」のメタファーでもあるわけで。

ただし、飄々とした独特の雰囲気を持つ、アートというよりはむしろポップアート的なキュートな映画です。特にドラマやストーリーがあるわけではないので、好みは分かれるでしょうが(笑)。世界各地の映画祭で上映され、小粒なデジタル作品ながらも、着実な評価を受けているようです。

公式サイト
  ↓
http://beautifulwashing.doghouse73pictures.com/

サイトトップの画像の、洗面所のような場所にしゃがむ女性が「洗濯機の精」です。

洗濯機ではないですが、私は Saturnianさんの PHOTODAIRY のページのレンジ猫の写真が大好きです(&川崎の焼き鳥屋さんの写真(笑))。

洗濯機が主役の映画? マレーシア映画の『美しい洗濯機』、観てみたいなあ。さらには、ケチャップが準主役??? ところで、主役の洗濯機は全自動? 2層式?

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