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2004.10.25

圧倒的な香港インディーズの力

第17回東京国際映画祭。とりあえず23~24日の予定を見終えることができた、23日は1人で、24日はニセ妹と。

新潟では、大変なことになっているようで、お見舞い申しあげます(←見てる人、いないよ)。なのにのんきに映画ネタで申し訳ない。

この2日間に見た映画で最も気に入ったのは、香港の彭浩翔(パン・ホーチョン)監督のコメディ『ユー・シュート、アイ・シュート』。韓国のポン・ジュノ監督の映画同様、「一生ついて行きます!」と思えるぐらい好きなタイプの作品を見せてくれた。同じ彭浩翔監督の『大丈夫』も予想通りとっても良くできていたし、短編『夏休みの宿題』も才気に溢れていたが、自分は、もう少し内輪ネタっぽい『ユー・シュート、アイ・シュート』の方がより好きだ。殺し屋と監督志望の男が組んで、「殺し(shoot)」の現場を「撮影(shoot)」をする話で、『タクシー・ドライバー』のトラビス(デ・ニーロ)に憧れた自分にはその辺のネタだけでも十分嬉しいのだが、ギャグも登場人物の情けなげなキャラクターも良かった。

最も感動したのは、同じく香港の麥婉欣(ヤンヤン・マク)監督の『胡蝶』だ。その見事な骨格は、昨年同じ映画祭で上映され評判の良かった謝東(シエ・ドン)監督の中国映画『冬至』に匹敵すると感じた。しかも、結末は『冬至』よりずっと潔い。30歳のレズビアンの女性の心理とそれまでの心の旅路を、香港の同時代の政情を背景に描きながら、丁寧に追いかけている作品で、題材的には一般公開は難しいのではないかと思われるが、見られて本当に良かった。結末はさわやかだが、ヒロインの新しい生活(による幸福)は永遠に続くとは信じられないし、彼女の決断によって周囲も傷ついたという意味で、単純なハッピーエンドとは言えない。とはいえリアルな物語において今や、絵に書いたようなハッピーエンディングなどというものは有り得ないのだろう。エンディングの先にまた別離や破綻が待っていたとしても、それが人生というものだし、ヒロインは自分に誠実に生き始めたのだから、それでいいのだ。でも尼僧のチャンは、松居直美でしたよ。

そして、『ユー・シュート、アイ・シュート』と『胡蝶』どちらにも、主役格で登場していた男優が、葛民輝(エリック・コット)。"ベン兄貴"こと呉毅将(ベン・ン)を思い出させる風貌で『地下鐵』DVDを見てから気になってはいたのだが、今回の2本ですっかりファンに(笑)。

合間にイメージ・フォーラムで行われていた「アトム・エゴヤン映画祭」にも足を伸ばしてみた。2本続けて見るのはきついと思われる見応えで、フェティッシュだ。『エキゾチカ』は時間がなくなってしまい、途中で抜けてしまったので肝心の結末がわからなかったが、ず~んと重い心理サスペンスの『フェリシアの旅』は最後まで見られた。孤独な人がわけのわからないことをする話というのは大好きなので、ツボである。

最初に見たフィリピン映画『ガガンボーイ クモおとこ対ゴキブリおとこ』は、昨年やはり同じ映画祭で見た『プロスティ』の深田恭子を色っぽくしたような主演女優と、ワイルドな主演男優が今回も登場していてひたすら懐かしかった。余り見ることのできない国の映画に知っている俳優が出ていると、なかなか嬉しいものなのだとわかった。娼館が舞台の大変色っぽいシーンの多かった『プロスティ』とは180度違う、ゆるいコメディ。チープな美術も良いが、ゴキブリおとこの羽の煽動のリアルさが恐ろしくて面白かった。しかし、「闘将ダイモス」って、フィリピンで見られてたんですかね。

『ベッカム、オーウェンと出会う』は、サッカー少年の友情を描いた香港映画。若い監督で、ティーチインでは技術的なことばかりを聞く人が多い中、核心に触れた質問が飛ぶと時間気にせず熱く語っていた。男の子(映画ではローティーンの少年)の恋とも友情ともつかぬ思い(と関係)を描きたかったと。

『見知らぬ女からの手紙』は、さすがの撮影だ。しかし、10代の少女が憧れ、一生愛するようになる男としては姜文のイメージはオヤジ過ぎないかとニセ妹と意見が一致し、もう少しインテリジェンスの香りただよう(あくまでも雰囲気)の俳優はいないかと論議(笑)。結論は、ヨン様あたりいかがか、と(笑)。大陸俳優は、若手俳優以外はマッチョに過ぎることだし。

深夜に見た韓国映画『可能なる変化たち』は、夜中の上映にぴったり!の作品だった。ただ、韓国のインディーズ作品、あるいはアート系映画のセックスシーン率の高さには辟易する。他に撮ることないのか? 判断つきかね、思わず"良かった探し"するしかなかったデス。

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