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2004.06.20

参院選まであと21日

いつもくだらないと思うのは、そりゃ公職選挙法とか問題があってできないのはわかるが、国政選挙の日に投票時間が終わると、テレビ各局一斉に開票特番が始まるということだ。どうせなら投票時間後じゃなくて、朝から全局でやれないものなのかと……。すべて終わってからイベント化した番組やったって、何の意味もないじゃん。今や、投票になんか行かない人の方が多いのに。

1日中24時間テレビよろしく、「きょうは選挙です」ってパーソナリティが出ずっぱりで言い続け、投票に行ってきた芸能人がスタジオで歌をうたい、全国各地の街頭で地方局の記者が通りすがりの人に「選挙行きましたか?」ってインタビューし続けるのを中継で見せる、とか(→そんな番組、誰も見たくないけどさ(笑))。どこのチャンネル回しても、みんなそんな番組やってたら、少しは気にするんじゃない? しないか?

まあ、法律的にダメなんだろうし(さらに、投票率を上げたら、ある程度体制に変化が起きるのがわかるわけで、そんな番組に金を出すスポンサー企業なんて存在しないんだろうけど)、このごろ選挙のたびに思うんだよね。


全く関係ないが、昨日は『オー!スジョン』を見てきた。ホン・サンス監督の映画はこれを含めて3本しか見ていないが、たぶん彼の作品としては破格にわかりやすく面白い作品だ。全編モノクロで、1人の女性と2人の男性の、その女性の「初体験」の日までの関係を追っていく。が、個人的には好みではない。退屈だとすら感じた『気まぐれな唇』の方がまだ好きなぐらい、『オー!スジョン』は好みではない。ただし面白くはあった。

知っている役柄で言うと《バンジージャンプする》の彼女(イ・ウンジュ)と、『嫉妬は我が力』の編集長(ムン・ソングン)が出ている。ムン・ソングンが金のない映画監督で、イ・ウンジュ(映画タイトルである「スジョン」とは彼女の名前)は一緒に働く構成作家、そして金持ちの画廊オーナーで、監督の後輩でもある男がチョン・ボソク。作家やら、映画監督やらといったクリエイターの男のよくわからない先輩後輩関係っていう、お得意のパターンだ。

前半とほぼ同じシーンが、後半、視点を変えてあるいは微妙に条件を変えて繰り返されるのだが(こういう作り方、源流は『羅生門』にあるのかもしれないが、けっこうよく見るパターンだよね)、前半のスジョンのおとなしさに比べて、後半の能動的なスジョンは小気味よく、好感が持てる(懇願する兄の自慰を「しょーがないわね、早くすませてよ」と何食わぬ顔で手伝ったりもするのだ)。

でも、主演の1人である独身の画廊オーナー(チョン・ボソク)が何となく気色悪い。金持ちらしく良い素材の洋服を身に着け、中年にさしかかりつつもさわやかで、そこそこハンサムであまり嫌らしくないのだが、平気で複数の女性と関係していたりもする。そんな男が、スジョンが処女だと打ち明けたときに浮かべる「満面の優しい笑み」(←本当に慈しむような微笑み)は、この上なくスペシャルにムシズが走りましたよ、自分。

そして本日も出かけるつもりがへこたれて、だいぶ前に買ってあった劉若英(レネ・リウ)と、龍子さんことトゥオ・ゾンファが共演した、張艾嘉(シルビア・チャン)脚本・監督の《少女小漁》(1995年作品)の台湾版DVDを見た。暗い話だが、丁寧に作られていて心に染みる。

龍子さんサイド的には『息子の告発』の翌年の作品なので、大変若い。今のうまさはまだないけれど、毎度おなじみの熱血演技である。2人は大陸からニューヨークに出てきた恋人同士という設定なのだが、タイトル(劉若英の役名「小漁」)も示すとおり小漁という女性に視点を据えた映画なので、龍子さんは、登場シーンが多いわりには印象が薄い。

主人公の小漁が在留資格を得るために、年老いたイタリア人男性と偽装結婚するという話で、先日友人にDVDで見せてもらった『パイラン』やら、『小雨の歌』やらを思い出した。入国管理局の検査におびえて暮らすニューヨークの街は、ニエズのニューヨークと同じぐらい暗くて湿度が高い。偽装結婚の相手の「父」ほども年齢の違うイタリア人男性との心の交流、ヒロインの心境をじっくり描いていく佳作で充足感はある。

実はしっかり、小漁が自ら異文化にぶちあたり理解にこぎつけ、恋人から自立するっていうストーリーで、ラストでは「うん、そうだよな、仕方ないよな」とやるせなくエールを送る自分がいるんだが、そこで彼女がカーテン閉めちゃうあたり、前向きな終わりの気分じゃないのだ。「しんみり、いい映画だったよ」とも言えるが、『小雨の歌』も同様だが大勢が足を運ぶタイプの作品ではないだろう。もちろん、前向きだけが素晴らしいわけでは決してない、断じてないが。

制作年も舞台も状況も異なるが、女性の生き方を描いた最近の映画では、『上海家族』が圧倒的にさっぱりふっきりれてて面白い。

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