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2004.06.01

傷心的歌

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ドラマ(ニエズ)を見て時の流れとともに話題を追いかけてきた身にはあまりに「当たり前」なことなので気付かなかったが、「《17歳的天空》」や「楊祐寧」の検索でここを覗いてくれた方への入門編とも言うべき映像がある。それは、周華健(エミール・チョウ)が歌った《傷心的歌》のミュージック・ビデオ(MV)である。曹瑞原が監督し、范植偉と楊祐寧が出演、「1973年的愛戀、2003年的偶遇」というキャッチフレーズで、ニエズの物語の中の李青と趙英が、現代の小偉と祐祐となって再び出会い共に過ごす1日を描く。

もちろん、もしニエズに興味を持たれた方がいれば、必ずドラマ本体をご覧いただきたいし、またMVなのに映像ばかりをクローズアップして紹介するのは歌手の方に失礼と言うものかもしれない。 ……しかし自分、周華健のMV集(VCD)は《傷心的歌》以前に、すでに張孝全くん目当てで1枚持っていた。ゴメンナサイ。 (※ご参考→張孝全くんがMVに出演している周華健の曲は、《有没有一首歌會譲[イ尓]想起我》と《[イ尓]説得對》)

ニエズのドラマ本体を見て《傷心的歌》MVを見るのと、ドラマを見ないでMVを見るのでは、伝わってくるものが10倍ぐらいは違う。10倍どころかドラマは20話だし、内容的にも"30年"の想いがのっているわけだから、そりゃあMVだけでは、何も見ていないのと同じようなものだが、言うまでもなく周華健の文句のつけようのない歌唱力と、せつない歌声は、小偉と祐祐のさわやかな映像にぴったりだ。ニエズを知らずとも、歌オンリーでも聴く価値は十分ある。

《傷心的歌》の原曲は英国のスウィート・ジョナサンとトロット・ロドニーによるもので、中国語版の歌詞は周華健のオリジナル。もともと周華健がこの曲をいつ発表したのか、何というオリジナル・アルバムに収録されていたのかは未調査だが、2003年9月に発表された3枚組のベストアルバム《周而復始 1987-2002》(1987年から2002年までのベストセレクト)に収録され、このベスト盤の発売に合わせて制作された曹瑞原監督のMVが台湾のテレビなどで流された。

その後ニエズ人気のためか、本来のMV(曲と同じ長さの5分程度のもの)に加えて、「13分完整版」とファンが呼んでいるMVの長尺版(《13分13秒的前世今生》)が台湾のテレビなどで流されるようになり、その原版と長尺版2本のMVに、周華健のインタビューと、MV監督(曹瑞原)インタビュー、MV出演者(范植偉・楊祐寧)トークとカラオケを加えた「《傷心的歌》VCD」として、最初は《周而復始 1987-2002》のアルバムと合わせて3枚組CD+VCD1枚セットで発売された(2003年12月)。

さらにその後、本来のCD3枚組のベスト《周而復始 1987-2002》と、《傷心的歌》VCD1枚のみと、同アルバム全曲のカラオケを収録したDVD3枚組が別々に販売されるようになった。

MVでは、小偉(范植偉の愛称)と祐祐(楊祐寧の愛称)が台北の街で出会うわけだが、出だしは《傷心的歌》に最もふさわしい、李青と趙英が最後に会った古本屋を祐祐が訪れる場面から始まる。ニエズの主役は李青だが、MVの主役は祐祐だ。《傷心的歌》は、愛を失った寂しい心と、それでも忘れられない苦しい思いを歌うが、忘れられない苦しい「想い」を抱いていたのは、決して李青だけではなかったろうことは、そのニエズのドラマ中の再会(の場面でもあり、別れの場面でもある)の古書店での趙英を思い起こせばわかるだろう。「13分完整版」の方の冒頭では、曲のイントロが始まる前に祐祐の台詞があり、それにかぶさるように蝉の声が聞こえてくる。やるせない30年前の夏が蘇る一瞬だ。

祐祐は、その古本屋で30年前の阿青と出会う。いや、2人は何も知らず、単に時間が交錯しただけなのかもしれない。それとも、阿青の幻が祐祐の無意識の記憶の底をかすめたのか。……そして台北の地下鉄で、現実の小偉と出会うことになるわけだが、30年前の阿青と趙英、現代の小偉と祐祐の映像が交互に重なりながら、MVは進んでいく。

VCDに収められている范植偉と楊祐寧のMVに関する短いトークには、照れまくる范植偉を「よしよし」となだめる楊祐寧という、ドラマとは違う2人の表情が映されていて楽しい。

頭に貼った画像は、祐祐と小偉が出会った後、一緒に出かけた海辺の場面だ。日本人にとっては日本海を思い起こすような、どこか寂しいニエズの海辺の場面(龍子さんと阿鳳の場面や、李青が母を失った後の場面など)とは次元の違う、まぶしいほど明るい海と空が印象的だ。

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コメント

亮香さん、「Men's uno」は素晴らしい雑誌でございましょう?(笑) 興味のある人が載っていなくても欲しいぐらいです。余談ですが日本国内の雑誌では、隔週刊ででいるらしい「Pen」という雑誌が私は大好きなんですけれども。

さてニエズの幕後花絮VCDですが、まだ通販サイトでもちらほら見ますので、台湾現地ならCD店で残っているところもあるかもしれません(2003年3月、私が台北に行ったときには、まだドラマ本編のDVD/VCDは発売前でしたが、このメイキングVCDは既に山積みで一般CD店で売られていました)。ちなみに通販で買えるのは、簡単に調べがつくところで公視とおなじみ博客来網路書店です。
shopping.pts.org.tw/main.php?PAGE=HTM_DETAIL&BOX=&BAENO=339
www.books.com.tw/exep/prod/dvd/dvdfile.php?item=D020007726

お言葉に甘えまして・・。「M for men」は“2004-2005秋冬時尚増刊號”ですね。香港版「Men's uno」12月号を在台北の友に頼んだのですが、范植偉の表紙の方で購入してくれたのがこちらの「M」でした。若干大きいですが写真も記事も同じです。但し、又してもCHINESEは想像の粋で読み(笑)、数々の綺麗な写真は小偉に限らずグラビア雑誌 (メノコヤシ?) として充分愉しめました。これからも覗きたい(笑)雑誌です。
ここで甘えついでに、一つ質問です。今回、「ニエズ」関連物を上記の友人が調達してくれたのですが「[薛/子]子-幕後花絮VCD」は知りませんでした。どこで購入できるのでしょうか?せっかくVCDも観れるようになったので。

亮香さん、コメントありがとうございます。「今更」ではないですよ~。ニエズのことを見聞きするのは、どんなことであっても楽しいです。気軽に、書き込んでやってくださいませ。

そんな、ドラマのファンにとって「傷心的歌」MVは貴重な宝物ですね。ドラマを見た者の多くにとって、きっと思い入れのある阿青と趙英のエピソードを、MVという形ではあるものの、本物のニエズの監督が再度取り上げてオリジナルなものとして映像化してくれるなど、めったに考えられないことですから。自分の中なら単なる妄想で終わるものが、監督が関わったことで、ニエズの世界の中にサイドストーリーのような形で、正規の位置付けを得たような感じがします。周華健の歌のすばらしさは言わずもがなですが、単なるMVとしてもなかなか良いものだと思いますし、さらに「完整版」までリリースされている有難さ。

F4主演の「部屋においでよ」(来我家[口巴])」は台湾に行ったときにたまたまテレビで放映されていて、1話だけ見たことがあります。おっしゃるとおり、范植偉は見事に浮いていましたが(笑)。彼が、その後偶像劇にオファーされていないことを考えれば、その辺の見方は的外れではないのでしょう。

韓流の次は台流だとか、台風だとか言われていますが、韓国モノのような、今まで韓国はもちろんアジアのエンタテイメントに全く関心のなかった層を多く取り込むような大きなムーブメントになることは、私はないと思っています。実際、「美形男子」と一部の力のあるミュージシャンと公視ドラマ(笑)を除いたら、ほかは日本にももう存在するタイプのものばかりじゃないかと思いますし(《来我家[口巴]》のような偶像劇しかり)。「台風」が来るとしても、韓流のように日本中に知られるようなものではなく、既に存在するアジア芸能ファンといくらかの新しいファンたちが形づくる小型台風なんじゃないかと……。

で、亮香さん、ご存知かもしれませんが、今出ている台湾版「Men's uno」と一緒に宣伝されている「M for men」、どうやら表紙が小偉です。確かこの雑誌は季刊程度のペースで発行されていたはずで、この小偉表紙(香港版12月号のグラビアと同じ?)がいつ発売の号なのか情報がみつからないのですが……。www.mensuno.com.tw/database/subscribe.php

昨年よりお邪魔しておりますが、未だ“ニエズ”世界から抜けられそうにありません。今年も宜しくお願い致します。さて、こちらの記事を拝見して以来熱望しておりましたこのMVを手にしたのが14日。早速短長両バージョンを観(聴き)ました。地下鉄出会い~プラットホーム疾走まで、羨ましきかなピュアで眩しきカップルに年甲斐もなく胸キュンです。‘73年と’03年の映像が交差するわけですが、阿青と趙英=小偉と祐祐、時空を超えて結びつく友・愛情を矛盾なしに演出する監督の采配にも感服。「ニレズ」での伏目の印象が強い范植偉があれほど屈託ない無垢の表情を見せてくれたのにもびっくり。今BS日テレで放映中の「部屋においでよ」は軽いというより空っぽ(スイマセン、トレンディー系は苦手)のドラマゆえに彼=存在感の重さが邪魔で浮くというより沈んでみえるのです。石公さんも、彼の演技力は?でしたね。しかしここでは、祐祐との相性と演出の力のせいか小偉はちゃんと今的少年に見えます(よね)。“傷心的歌”の詩も祐祐の心情にぴたりと寄り添って素敵です。今更の感想ですいません。

mikiさん、こんばんわ~。

李青と趙英のエピソードというのは、ドラマのオリジナル設定なので、そんな点でも監督は愛着があるのでしょうね。

テレビ番組でこの部分の原作との違いを尋ねられた監督は、確か、全20話の牽引力とするために、誰にでもある青春時代の甘く美しい思い出として阿青(と趙英)の初恋を設定した、というようなことを語っていたと思います。

小説なら「実験室管理員との淫猥行為による放校処分」というオープニングの衝撃は、否が応でも読者を引きつけるでしょうが、20日もテレビの前に座ってもらわなければいけないドラマの場合、衝撃だけではない、誰もが感情移入しやすい何かが、魅力的なビジュアルを伴って提供されなければならない……というのはわかります。その辺が、逆にある意味、連続テレビドラマの限界の1つでもあるのでしょう。

祐祐、mikiさんのおっしゃるとおり、このごろどんどん綺麗(!)になってきていますね。金勤くんといい「ニエズ出身」の若者たちの将来が楽しみな婆でございます。

「傷心的歌」のVCDは、確かに既に在庫切れのところもありますが、私がサントラを購入した台湾の通販サイト(TCR大衆唱片)や、Yesasiaなどの海外通販サイトでは、まだ購入できるようです。台湾のファンサイトでも「今、MVのVCDはどこで買える?」「○○○という店にあるよ」なんていうやりとりが飛び交っています。今後どうなるかはわかりませんが、マジで探せば、今のところは何とか買えないこともなさそうです。

いや~見透かされているかのごとく今の私にはどんぴしゃな話題です。
つい先日入手したのですよ、このVCD。
今では入手困難だそうですよ。
石公さんが丁寧に語られているので私が何か言うのも気がひけますが、
私はただ単に曹瑞原はよほどこの二人を成就させたかったんだな~と
思いながら見ていました。
それも「にえず」では描き足りなかった
祐祐が演じた趙英側の気持ちを撮りたかったんだろうな・・と。
実際映像を見るまでは阿青を中心に撮っていると思っていたので
意外だ~と思いながらも自分も趙英側の気持ちを知りたかったんだよな・・
と思っていたりしました。
色々と語りたい気もしますが、自分のサイトですることにします。
祐祐、なんてことない表情にやけに色気があるようになったな~
と思ったのは私だけかも。

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