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2004.05.21

「孤戀花」という歌について

寂しいことに、このところ話題性の縮小とともに《十七歳的天空》の検索でここを見にきてくれる方も減ったが、累積売上535万台湾ドルを計上し、公開から7週目にしてまだ台湾では上映館が存在している。今現在、台湾で7週間以上公開が続いている映画は、(当然ながら)洋画しかない。……ちなみに作品は、メル・ギブソンの『パッション』と、『バタフライ・エフェクト』。もちろん、興行収入は國片《十七歳的……》が太刀打ちできるような数字ではないが。

アイドル映画《十七歳的天空》でこんなところにたどりつき、「ニエズって何よ!?」といぶかしい思いをされている方に、「それはね……」とでしゃばって説明せねばとここ1カ月ほど考え続けてきたのだが、何せ言葉が不自由&しつこいわりにはいい加減な性格で、なかなかまとまらない。

ニエズは、台湾のNHKと言われる公共電視というテレビ局で制作、2003年2月から同局で放映された全20話の連続ドラマで、白先勇(1937~)という中華圏では高名な作家の書いた文学作品『[薛/子]子』(niezi)をドラマ化したものだ。『きらめきの季節/美麗時光』の范植偉が主演し、《十七歳的天空》に出演した楊祐寧と金勤もメインキャストである。……ってな程度なら、おサルでも書ける。このblogの「ニエズの周辺」というカテゴリでは、ニエズの本質から逃げて、もっぱら周辺話題を追っている。「ニエズの核心」に触れる能がないからねぇ……。

東京の映画館「キネカ大森」のホームページの中には、ニエズに触れたコンテンツがある(2003年末の台湾映画祭特集ページで、ページ末端の「公共電視」に関するコラムのところ)。同様記事が、近代映画社から出ている「CINEMA AVENUE」VOL.3にも掲載されている(同誌は現在、VOL.5まで出版されていると思う)。ただし、どちらもデータが多少間違っている。ニエズは60年代ではなく70年代が舞台のドラマだし、原作が出版された1987年というのは大陸版の出版年で、台湾での本としての初出版は1983年だろうと思われる(←しつこいよ)。

こんなことを書き出してみたのは、きょう公視のニエズ公式サイトBBSで、「孤戀花」がどんな歌なのかが分かったからだ。「阿青のお母さんが亡くなる場面で、阿青が歌った台湾語の古い歌は、誰が歌った何ていう歌?」との書き込みに、「 詞/周添旺 曲/楊三郎 「孤戀花」」とレスが付いていたのだ。その歌をモチーフとした白先勇の短編小説が同名の『孤戀花』で、何回かここでも取り上げたように、ニエズをドラマ化した曹瑞原監督が、現在上海で撮影している新ドラマでもある。原作小説の中には、(白先勇お得意の手法だが)「孤戀花」の歌詞が登場する。

映像で確かめると、「孤戀花」という歌は、第1集の冒頭、洗濯をする阿青の母が口ずさみ、第7集で彼女が死の床にあるとき阿青が歌ってやり、ときおり阿青が寂しそうに吹くハーモニカの曲の1つだった。きっと、ドラマのニエズを見た人なら聞き覚えがあるはずだ。おまけに、DVD/VCDの各回ごとの解説にも、第7回に「在阿青低吟「孤戀花」歌聲中、母親離開了」とあるではないか。全然、気付かなかったよ(というか、忘れていたのか)。

「風微微 風微微 孤単悶悶在池邊 水蓮花満満是 静静等待露水滴……」という歌詞が、印象に残っている人も多いだろう(原作では多分この歌は使われていないようだ)。『孤戀花』の原作中では、もう少し先の「月斜西 月斜西 真情思君君不知……」あたりの歌詞が使われている。ドラマ「ニエズ」との因縁浅からぬ歌でもあった、というわけだ。

そんなニエズの主演俳優である范植偉は、昨日も恋人と言われている王心凌とのゴシップ記事を書かれている。 ニューアルバムが売れ行き好調の彼女のステージに、范植偉がゲスト出演するかどうかという話らしいが、范植偉の事務所サイド(マネージャ?)では、彼は、歌は訓練していないし大して上手くないので、ハーモニカでも吹いて……ってなことを言っている。ギターだ何だと言っている范植偉だか、いまだハーモニカの呪縛から解き放たれていないのか。

阿鳳を演じた馬志翔は、5月末にはついに兵役に就くとのこと。

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コメント

@YOU-COさん、初めまして。

「たどりついて」いただいて本当にありがとうございます。「17歳的天空」をご覧になってきたんですね(どういうきっかけで、また……(笑))。

私自身は見ていないので、日本で一般公開できるタイプの作品なのかどうか判断不能ですが、日本で見られるとしたら、とりあえずは、愛すべきしょーもないB級映画監督(←失礼!)李志超の「妖夜廻廊」すら取り上げてくれた、東京国際ファンタスティック映画祭あたりしかないのではないか……と思うのですが、いかがでしょう? 

自分で読んだわけではない(し、読めない)ので確実に言えることではないのですが、調べたところでは、白先勇が小説の中で、同性愛(男性・女性含む)をモチーフとして採用している作品は、年代順に、「月夢」「青春」「寂寞的十七歳」「満天裡亮晶晶的星星」「[薛/子]子」「Danny Boy」「Tea For Two」あたりなんだそうです。「[薛/子]子」以外は短編だと思われます。[薛/子]子」以降の近作も、読んでみたいものですね。

自分以外にも 「17歳的天空」から
こちらに辿り付いている方がいたとは 驚きです。

アイドル映画「17歳的天空」を台北旅行で知ってから
「17歳」 から 「罪の子」 そして「白先勇」の
流れが分かって 助かりました。

日本での「白先勇」に関する書籍を調べても
なかなか「公園シリーズ(笑)」に関しての記述に乏しく
・・・・・・・・。

国書刊行会からの「罪の子」はいつになるのだろうか
そして「17歳的天空」は日本で公開されるか
楽しみです。

mikiさん、いつもコメントありがとうございます。

>「ニエズ」が他の台湾ドラマのように日本で知られていないのは
何と言っても、書けない・読めないというのがネックでしょう(笑)。「鬥魚」も同様でしょうか?

東京都内の某明星ショップでは、昨年でしたか、DVDや原作本、写真集が店頭に置かれていたのを見ました。yesasiaで扱い出したのを知ったときには、買いやすくなったとびっくりしたものです。

でも、ニエズだけが知られていないのではなくて、ニエズ同様に金鐘奨を獲っている過去のドラマ作品の名前を見ても、日本で(中華明星迷や台湾偶像迷に)知られている作品は少ないのではないかと思います。

逆に言うと、ニエズだけが突出して、ヤ○イオバさん系中華明星迷・電影迷にマニアックに知られる形になっているのではないかと感じます(もちろん自分がそれに分類されることも自覚していますが)。公視の過去の連続ドラマなどは、クオリティの高そうなものがゴロゴロしていますが、(「一部地域」とはいえ)ニエズほど知られているとは思えません(笑)。

で、ほかの方の「罪の子」blog、私も検索して読ませていただいてきました。映画ファン系ではないところからのアプローチが新鮮です。おそらくはプロの方だけあって、単純なあらすじと感想に見せながら、裏付けのある情報がしっかり盛り込まれているのがいいですね。

「孤戀花」にはそういう意味があったんですか。
あの曲凄く頭の中をぐるぐると回るんですよ。
「ニエズ」が他の台湾ドラマのように日本で知られていないのは
やはり入手しずらいというのもあるんでしょうね。
某香港に拠点を持つショップ以外では見たことも無いですし、
こういうドラマが存在していることも知らないのではないかと思います。
あれだけ台湾ドラマのBOXを扱っているにも関わらず。
やはり「偶像劇」には分類されていないからでしょうか。
都内に幾つかある中華華僑向けのレンタルビデオ店にも
置いてあるのを見たことがありません。

ちょっと「罪の子」で検索してみたら同じようにBLOGで
ドラマの「ニエズ」について書いていらっしゃる方が居ました。
見ている人は見ているんですけどね・・・
NHK辺りが韓流にばかり力を入れないで放送しても良い題材だと思いますけど。

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