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2004.03.13

極彩色な、HERO(英雄)よりも極彩色な……

今週はほとんど仕事がらみで時間をとられて過ごした。きょうは、やっと9時前に自由になれたので、『涙女』の最終回を見る。

本当に色鮮やかな映画。

初めて見たが、張元・賈樟柯ら同様、かなり好きなタイプの監督かもしれない。

中身は見ていないが、よくレンタルビデオ屋の中国映画コーナーで見かける『硯』は、この人の作品だ(関係ないが、劉冰鑒監督は安徽省という硯(歙州硯)の産地出身)。

『涙女』は、預かっていた子供とのリアルなやりとりや、ヒロインのはすっぱな歩き方・ふざけているようないないような仕事っぷり、きらびやかな葬儀の花輪の中のラブシーン、外国人から見るとなんだかとってもユーモラスな葬列、やたらに派手な服など、ほとんどのディティールが完全に好みだ。

韓国映画ばりのベッドシーンにも驚いた、短いけど……。ヒロインは哭き女。死人はお得意様なので、東に災害があればビジネスチャンスと飛んでいき、西に重病の人あればチェックをおこたらない。「最中」でも、商売のニュースを聞きつければ「中断」してすっ飛んでいく(→だからベッドシーンも短い(笑))。

前半は、預かった子供を抱えて画面の中を走るヒロインと同じスピードで、小気味よいぐらいがんがん話が進む。本田美奈子と秦海[王路]を足して2で割ったような"ふざけた女"は、現代を映す鏡のようにスピーディに、「何かを置き忘れたまま」人生を走る。

北京から徐々に地方都市のいなかまちへ。ヒロインの生活も映画も少しずつスローダウンし、ついに彼女は我(プリミティブな感情)を取り戻す。「我に返った」とも言えるかも。

どんなに悲しげな映像よりも、他人の慟哭(声)がこたえるタイプなので、そりゃあ、ラストは『ラブ・ストーリー』より涙腺を刺激された。刺激されただけで、泣かないけど。《男男女女》も面白かったに違いない。

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